パナソニック ホームズが志向する 家で街をまもるための地域連携とは
展示場から街へ繰り出そう!!
商店街の賑わい創出にも貢献 まちなか防災訓練も実施
戸越銀座商店街では、品川区とともに10年がかりで電線地中化に取り組み、2016年に地中化が完了している。これを契機として、3つある商店街の街なみなどのハード面での統一も図り、地域住民のためのインフラであり、「都市型観光」の場にもなる商店街を目指している。同時にソフト面での取り組みも検討し、2019年には(一社)戸越銀座エリアマネジメントも設立した。
戸越銀座商店街連合会で広報担当を務める亀井哲郎氏によると、「従来から様々なイベントなどを実施してきましたが、どうしても一過性のものになっていました。住民の方々に『商店街は必要不可欠な生活インフラである』と再認識してもらうためには、どのようなイベントを開催するべきかを模索していました」と語る。商店街だけではマンパワーも足りないし、資金的な問題もある。そこで企業との連携を模索していたという。
こうした商店街のニーズとパナソニック ホームズの考えが合致する。月1回のペースで会議を行い、「街を、家でまもろう」というメッセージを掲げ、防災に関するイベントを継続的に実施していくことになった。
最近では「まちなか防災訓練」を実施し、パナソニック ホームズだけでなく、他のパートナー企業とも連携しながら、楽しく防災のことを学べる「防災クイズラリー」などを実施。パナソニック ホームズでは、独自に制作した絵本「4ひきのこぶた」を紙芝居にし、災害に強い家の重要性を分かりやすく紹介した。
ハウスメーカーが街に繰り出す意義とは
前述したように同社では、戸越銀座商店街の一画に「住まいのよろず相談所」を開設した。防災イベントなどを通じて、地域住民の声を聞く中で、いつでも住まいに関する相談に対応できる場所が必要だと判断したからだ。試験的に開設し、反響などを踏まえて常設型の施設にしていきたい考えだという。
「住まいのよろず相談所」を開設したことで、7月と9月の2カ月間で50件を超える相談があったという。また、商店街との連携を開始してから、既に受注に至った建物も出てきており、確実に成果を残しているようだ。
「地域密着」というキーワードは、地場の工務店の強みとして語れることが多い。パナソニック ホームズの戸越銀座商店街での取り組みは、自ら街へと出かけていき、防災をテーマとした都市型の地域密着を具現化しようというものだ。
展示場で集客し、受注につなげていくという従来型の営業手法と比較すると、かなり手間がかかるだろう。しかし、今の市場環境を考慮すると、従来型の営業手法に多くの期待を抱けないというのが実情だ。さらに言えば、オンラインによる集客手法も台頭してきている。こうした状況下で自ら街へと繰り出したパナソニック ホームズ。家で街をまもるための地域連携という視点でも、多くの可能性を示す実例になりそうだ。
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