2026.7.31

神戸市がマンションに「空室税」

検討会で答申案示す

 

神戸市は、市の中心地に立地する分譲マンションなどの空室保有者を対象に、「空室税」の導入検討を進めている。このほど、市の検討会において空室税に関する答申案をとりまとめ、制度設計の方向性を示した。

神戸市は市内中心部の分譲マンションに「空室税」を設ける考え(画像はイメージ)

空室税とは、居住の実態がない分譲マンションなどの所有者に対して一定の税負担を求め、未活用の住宅ストックの利活用を促すことを目指す、神戸市独自の法定外税だ。

そもそも同市は、三宮駅周辺などの都市部において住宅の建設を一定程度制限する「都心機能高度集積地区」を設け、都市機能と居住環境の調和を図ってきた。しかし、同エリア内の貴重な住宅ストックであるマンションが投資目的などで取得され、居住の実態がないまま放置される事例が多数見受けられた。こうした背景から、空室の有効活用を促す税制の確立が検討されてきた。

今回の答申案では、空室税の主な目的を「都心における住宅ストックの利活用促進」と位置づけ。対象となるエリアを空室割合が市内の他地域に比べて高い「都心機能誘導地区」(JR三ノ宮駅および新神戸駅、元町駅、神戸駅周辺)と定めた。

空室税の導入検討エリア

また、対象物件については、当初タワーマンションを念頭に置いていた。しかし、市の調査においてタワーマンションと一般的なマンションとで空室の割合に大きな差が見られなかったことから、対象を分譲マンションなどの区分所有家屋全体へと広げることが妥当と判断した。

さらに、空室の判定基準についても方向性が示された。居住の実態があるかどうかを確認するため、原則として住民基本台帳に基づく住民票の有無で判断する方針だ。

なお、セカンドハウスや二地域居住といった利用目的の物件の判断方法として、水道使用量をチェックする方法なども検討したが、「どこまで水道を使用していれば非居住と考えるかの線引きが難しい」として結論を保留した。

税率については、対象物件の数や税収見込み、徴税費用などを考慮した上で、神戸市の実情に応じた設定を検討する。

今後、内容をブラッシュアップした最終案をまとめる。答申を受け、市が空室税の導入を進める場合は、市議会での可決の後に、総務大臣による同意が必要となる。

住宅ストックの活用を促すという観点では、京都市でも独自の法定外税として「空き家税」(非居住住宅利活用促進税)を2030年度に導入することが決まっている。また、大阪府寝屋川市はこのほど「寝屋川市空き家流通促進税条例」を可決し、全国に先駆けて2029年度から「空き家税」を導入することを決めた。

空室・空き家の健全な流通を目指す取り組みが、この先様々な地域に広がっていく可能性がありそうだ。