2017.3.8

内装壁材市場に地殻変動 より上質な住空間の実現へ 新素材も登場 Part 5

壁紙メーカーはより個性的なデザインなどを訴求

新素材を含めて、内装壁材市場に様々な新商品の投入が相次いでいるが、9割以上という圧倒的なシェアを占めているのは壁紙だ。新興勢力を迎え撃つ壁材メーカーも高付加価値化を図った新商品などを訴求し、さらなるシェア拡大を目指している。

内装壁材市場で50%以上のシェアを持つサンゲツでは、リーディングカンパニーとしてさらに消費者のニーズを取り込む様々な取り組みを進めている。その一つが、ショールーム展開だ。全国に9箇所展開し、壁紙やファブリック単体ではなく、インテリア全体としてコーディネート提案を行える体制を整えている。さらにスムーズなデリバリー体制を整えていることも同社の強みだ。「内装工事は引渡し前の最後の工事になることが多くスケジュールがタイトになりがち。在庫を豊富に揃えスムーズに商品を納められるようにしている」(同社)。

商品の見本帳も、商品単体だけでなく、家具や人物、ペットなどを入れたインテリアのコーディネート事例を載せることで、エンドユーザーがイメージしやすいように配慮している。また、「コーディネートレシピ」というコーディネートのヒントを紹介するコーナーも設けた。壁紙ならではの強みを活かしたデザインの拡充も進めている。「消費者の間で自然素材回帰のニーズが高まっている。自然素材の質感を再現した壁紙も多くそろえているが、石と木やレンガなどを組み合わせたデザインなど、本物には真似できないデザインの提案も行っている」。

さらに、初の試みとして、デザインコンペティション「サンゲツ壁紙デザインアワード2017」を開催する。「新しい発想の壁紙デザイン」を広く募集し、大賞受賞作品の商品化を予定している。同社では、2016年4月に新しいブランド理念「Joy of Design」を打ち出した。単にインテリア素材を提供するだけでなく、人々がインテリア素材を使い、デザインし、その空間で楽しみ、安らぎを得られる豊かな生活文化を創造することを社会での役割を果たして行きたい考え。今回のアワードはその一環として行うもの。このデザインコンペティションを通じて、新しい価値創造の喜びを分かち合うことを目指す。

リリカラでは、壁紙を用いた実際のインテリアの雰囲気を消費者がイメージしやすいように、見本帳の見せ方を工夫する取り組みを推進している。好みの色から商品を絞れるように配慮し、さらに、壁紙を用いた生活シーンなどの写真を多用した見本帳「LIGHT」「will」などを用意している。

「ショールームに来館されるお客様は年々増えている。インテリアに対するこだわりが強く、自分の目で実際に商品を確かめて選びたいというニーズが高まっているあらわれではないか。アクセントとして部屋の一部だけを個性的なデザインの壁紙を採用するだけで、部屋の印象は大きく変わる。壁4面のうち1面だけを個性的なデザインの壁紙を使うといったケースも増えてきている」(同社)。また、同社では、写真や絵画などを忠実に壁紙に再現するサービス「デジタルデコ」の提案も強化している。「幼稚園や店舗などの非住宅分野での採用が多いが、住宅での採用も徐々に増えてきている。既成の製品では物足りず、自分の嗜好にあったインテリア空間をカスタマイズしたいというニーズは今後もっと高まっていくと感じている。こうしたニーズにもしっかり対応していきたい」(同社)。

インテリアに対する目が肥え、健康への意識も高い消費者が増えている。こうしたニーズに対応して新旧様々なメーカーが内装壁材市場で新たな価値提案を活発化させている。高付加価値化を図るメリットを上手く消費者に訴求できれば、限られたパイの奪い合いではなく、市場自体が活性化、拡大していくことも期待できそうだ。

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特集:

巨大な潜在市場が動き出す

2015年のいわゆる「空家特措法」施行から6年が経過する。
国は大きく利活用と除却の二方面から、制度改正や補助事業などを通じて空き家対策を進めてきた。
発生の抑制や除去などに一定の効果が出ているが、利活用についてはなかなか火がつかなかった。
空き家問題には数多くの課題が横たわる。
今、こうしたその散在した課題を解決するサービスが続々投入されている。
さらに、コロナ禍は空き家市場にとってマーケット拡大のきっかけになる。
テレワークの普及により、多拠点居住や多拠点ワークを行う「場」として空き家に関心が高まっているからだ。
今年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、空き家の活用を「新たな日常」に対応した新しい住まい方の実現の1つに挙げている。
また、6月18日に閣議決定された骨太の方針でも空き家について言及。
「先進的取組や活用・除却への推進等の支援」などをしながら、既存住宅(ストック)市場の活性化に結び付ける考え方を明確にした。
こうした空き家への関心の高まりを追い風に、いよいよ空き家マーケットの誕生の期待が高まる。
国が掲げる2030年に14兆円のストック市場の実現可能性が見えてきた。

目次

HTʼs eyes

土石流が人災であったとしても
大規模盛土造成地の点検スピードアップを

ストック市場のけん引役になるか
空き家ビジネス
巨大な潜在市場が動き出す

TOPIC&NEWS

YKK AP、木製内窓の促進をサポート 木製窓展開の布石に
ミサワホーム、2030年に向けた実証住宅を建設
日本モバイル建築協会が発足、"移動式"の仮設住宅の普及に弾み

スマカチ通信2021 No.17「住宅業界のためのオウンドメディア講座」

INTERVIEW

長谷川萬治商店/長谷萬 代表取締役 執行役員社長 長谷川泰治 氏
木が求められる時代に材木屋を再定義
感動を与えられる商品・サービスを充実

CLOSE UP

三井ホーム 中大規模木造マンションブランドを創設
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ビスダックジャパン パネルを活用した木造システム工法を開発

脱炭素化でギアチェンジ
加速する住宅省エネ化 動き出す断熱材市場

中央住宅 敷地とエネルギーをシェア 脱炭素社会を目指す暮らし価値を創造

リンナイ 入浴に新たな価値を! さらに上質なお風呂時間を実現

連載

[国産材を活かす㉓]『ウッドショック』下の木材利用③
林材ライター 赤堀 楠雄 氏

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アイダ設計 省エネ性能の説明義務化を契機に提案力向上へ
ケイアイスター不動産 賃貸併用住宅の提案を開始
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(一社)不動産テック協会 コロナ禍でVRなどを使ったサービス増える
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