2017.3.6

内装壁材市場に地殻変動 より上質な住空間の実現へ 新素材も登場 Part 3

調湿機能などを武器に現代住宅でも使いやすくアレンジ

漆喰や珪藻土といった自然素材を利用した塗り壁材も、調湿機能などを発揮し、室内空気環境の改善に寄与する内装壁材として古くから使われているものだが、現代の住宅から和室が減少していく中で、苦戦を強いられているのも事実だ。

こうした中で、四国化成工業では、調湿機能といった自然素材の基本性能を維持しつつ、現代の住宅にもマッチする塗り壁材の開発を推進し販売を強化している。なかでも、主力商品として販売実績を伸ばしているのが、珪藻土を主成分として活用した内装塗り壁材「けいそうモダンコート」だ。調湿機能によりダニやカビの発生を抑制するほか、シックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドを無害化、生活臭、ペット臭も吸着・消臭する。

豊富な色柄のバリーションもけいそうモダンコートの強みになっている。落ち着いた印象の色からビビッドな色まで標準で75色をそろえた。「和室だけでなく、リビングなどにもマッチする。壁の3面に落ち着いた色を施し、1面だけ色を変えるといった楽しみ方もできる。また、オリジナルカラーの特注生産にも対応しており、設計事務所や工務店などに差別化商品として活用いただいている」(同社)。

さらに、骨材の配合量などを調整することで、様々な質感の塗り材をラインナップし、模様付けのバリエーションも増やしている。「コテ塗りなどよる凹凸のある模様は、インテリアの装飾として根強い人気がある。間接照明と組み合わせることで奥行きのある空間を演出できる」(同社)。

ここにきて塗料メーカーも吸放湿機能や抗ウイルス機能などにより、室内空気環境の改善効果を発揮する新商品を開発し、内装壁材市場の開拓に乗り出している。その一つが、関西ペイントが展開する漆喰塗料「アレスシックイ」だ。抗ウイルス機能、調湿機能、消臭機能、ホルムアルデヒド吸着除去機能など、漆喰の持つ基本性能を保持しつつ塗料化したもの。

KRF-057.eps

アレスシックイの数ある機能の中でもとくに評価が高いのが抗ウイルス機能だ。長崎大学と共同で行った抗ウイルス機能を検証する実証実験では、人に感染する最も身近なウイルスである人インフルエンザウイルスのほか、乾燥や消毒薬に強い水泡性口内炎ウイルなど、様々なウイルスに対して抗ウイルス効果を発揮することを確認。こうした高い抗ウイルス機能を活かして、アフリカ諸国などでも、感染症対策として医療機関などで採用されている。そのほか、豊富なカラーバリエーションも用意した。漆喰独特の質感を生かした「デザイン仕上げ」などのバリエーションもそろえている。

エスケー化研では、シートにあらかじめ調湿機能をもつ塗料を塗布した左官調軽量調湿シート「SKカイテキテイラー」の提案を強化している。塗膜内部は緻密な多孔質構造となっており、これにより優れた調湿機能を発揮するとともに、臭いやVOCも強力に吸着する。

また、SKカイテキテイラーには、2.5mmという厚みで塗料を塗布することで、重厚な質感を持たせた。この塗料の厚みを活かして、リブ、リブモザイク、サガン、テール、ミディライン、ジュラクなど、陰影を強調した様々なデザインをラインナップしている。

Housing Tribune最新刊

住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜日発売。年間購読者には電子版News Report「Housing Tribune Weekly」を配信しています。

ハウジング・トリビューンVol.624(2021年14号)

特集:

巨大な潜在市場が動き出す

2015年のいわゆる「空家特措法」施行から6年が経過する。
国は大きく利活用と除却の二方面から、制度改正や補助事業などを通じて空き家対策を進めてきた。
発生の抑制や除去などに一定の効果が出ているが、利活用についてはなかなか火がつかなかった。
空き家問題には数多くの課題が横たわる。
今、こうしたその散在した課題を解決するサービスが続々投入されている。
さらに、コロナ禍は空き家市場にとってマーケット拡大のきっかけになる。
テレワークの普及により、多拠点居住や多拠点ワークを行う「場」として空き家に関心が高まっているからだ。
今年3月に閣議決定された住生活基本計画でも、空き家の活用を「新たな日常」に対応した新しい住まい方の実現の1つに挙げている。
また、6月18日に閣議決定された骨太の方針でも空き家について言及。
「先進的取組や活用・除却への推進等の支援」などをしながら、既存住宅(ストック)市場の活性化に結び付ける考え方を明確にした。
こうした空き家への関心の高まりを追い風に、いよいよ空き家マーケットの誕生の期待が高まる。
国が掲げる2030年に14兆円のストック市場の実現可能性が見えてきた。

目次

HTʼs eyes

土石流が人災であったとしても
大規模盛土造成地の点検スピードアップを

ストック市場のけん引役になるか
空き家ビジネス
巨大な潜在市場が動き出す

TOPIC&NEWS

YKK AP、木製内窓の促進をサポート 木製窓展開の布石に
ミサワホーム、2030年に向けた実証住宅を建設
日本モバイル建築協会が発足、"移動式"の仮設住宅の普及に弾み

スマカチ通信2021 No.17「住宅業界のためのオウンドメディア講座」

INTERVIEW

長谷川萬治商店/長谷萬 代表取締役 執行役員社長 長谷川泰治 氏
木が求められる時代に材木屋を再定義
感動を与えられる商品・サービスを充実

CLOSE UP

三井ホーム 中大規模木造マンションブランドを創設
積水化学工業住宅 カンパニー 脱炭素と災害対策が付加価値の街づくりを強化
ビスダックジャパン パネルを活用した木造システム工法を開発

脱炭素化でギアチェンジ
加速する住宅省エネ化 動き出す断熱材市場

中央住宅 敷地とエネルギーをシェア 脱炭素社会を目指す暮らし価値を創造

リンナイ 入浴に新たな価値を! さらに上質なお風呂時間を実現

連載

[国産材を活かす㉓]『ウッドショック』下の木材利用③
林材ライター 赤堀 楠雄 氏

トヨタホーム 首都圏郊外での戸建分譲開発を推進
アイダ設計 省エネ性能の説明義務化を契機に提案力向上へ
ケイアイスター不動産 賃貸併用住宅の提案を開始
日鉄興和不動産 新たな暮らし方を探索 社内にシンクタンク
(一社)不動産テック協会 コロナ禍でVRなどを使ったサービス増える
LIXIL ドイツ・プロファイン社と樹脂窓を共同開発
大日本木材防腐 高耐久木材「和錬」を開発
サンワカンパニー トレーラーハウス「モバイルクラスコ」を発売
発泡スチロール協会 EPS×木外装で木軸の防火30分認定
クラス ホームステージングサービスで賃貸への提案強化

関連記事