New   2025.5.12

積水ハウス、クラフター1000人へ増員計画 協力施工の職人減見据え、自社人材割合高める

Housing Tribune Weekly vol.727

 

積水ハウスグループの積水ハウス建設ホールディングス(以下、積水ハウス建設)は、社員工「クラフター」の採用強化を2023年から実施しており、新たに33年までに1000人体制を目指すと発表した。育成体制強化、待遇改善などで住宅建築の担い手確保に努める。

積水ハウス建設は積水ハウスグループの施工部門で、全国に8社77拠点を置き、これまで270万戸超の施工実績を持つ。同社の社員工は基礎、建方(外装・躯体)、内装を担う多能工であり、 23年に名称を「クラフター」とし、高卒の採用強化計画を発表した。 23年に39人だった採用人数を24年に3.4倍の134人に増加。25年も同じく134人を採用した。キャリア入社も23年度は14人、24年度は19人と徐々に増えており、着実に成果をあげている。25年4月現在、クラフターの数は590人だが、その数を33年までに1000人まで増やす計画を新たに示した。同社の三宅寛(ひろし)総務人事企画部長によれば、「現段階では、クラフターと協力施工店を合わせ、十分な施工力がある」という。新設住宅着工数が徐々に減少する中で、それでもクラフターの数を大幅に増加する理由は、協力施工の職方不足を補完するためだという。

三宅部長は「現在、積水ハウスの住宅建築は、クラフターが10 %未満、他は協力施工店の職方が担っている。10年後は、その協力施工店の職人の方々が高齢化によって減っていく。住宅着工数が落ちていくよりも、職方の減少の方が早いと想定している。そのため、施工におけるクラフターの割合を20%程度に増やし、将来的な施工力不足に対応していきたい」と説明する。目下、団塊の世代が75歳以上となり労働力不足が生じる「2025年問題」に直面している。24年度は人手不足倒産が過去最多の350件あり、そのうち建設業が約3割を占めた。近い将来に生じるとみられる施工力不足に備え、今から準備を進める。


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