[2023年の重大ニュース]人材不足倒産が建設業で増加

大工・職人の高齢化、減少に歯止めかからず

求められる本気の人材確保・育成策

2023年は住宅・建設業界で人材不足が深刻化し、特に現場施工を担う大工・職人の高齢化、減少は深刻で人材不足による建設業の倒産増に歯止めがかからない年となった。

野村総合研究所(NRI)が2023年6月に公表した最新の調査データによると、大工をはじめ、配管従事者、左官などを含めた住宅建設技能者は、2040年に、高齢化などにより2020年(約82万人)の約6割にあたる約51万人に減少、大工だけに限定すると2020年の約30万人から2040年には半数以下の約13万人にまで減少すると予測する。

2023年は人材不足などの影響による企業倒産が顕著に増加、帝国データバンクの調査「全国企業別倒産」では全業種の中で建設業の倒産が最も多くなった。2023年に発生した建設業の倒産は、8月までに1082件発生した。この時点で2022年通年の件数(1204件)に迫るほか、8月までの累計で1000件を突破したのは2017年以来6年ぶりだった。また、6月に単月で160件に達し、2014年10月以来約9年ぶりの高水準となった。このペースで推移すれば、年内の建設業倒産は1600件を超え、過去5年で最多となることが確実となった。倒産の要因としては、引き続き「物価高」の影響が続いた。2022年に比べると価格の上昇は穏やかなものの、鉄骨などの建設資材価格の上昇が止まらず、建設業倒産のうち物価高が要因となったものは最大で2割に迫った。さらに、近時は職人の高齢化に加え、若手や新卒人材の応募が少ないなど、人材不足が目立つほか、給与に不満を持つ建築士や施工管理者など業務遂行に不可欠な資格を持つ従業員の離職・独立により、工事の受注や、施工そのものがままならなくなった中小建設業者の倒産が目立ち始めた。帝国データバンクの調査では、建設業の約7割で「人手が不足している」状態で、うち5%の企業では「非常に不足している」状況にあり、コロナ前(2019年)を上回るなど、物価高以上に職人不足の影響が建設現場で深刻化している。

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