規格住宅に新潮流 都市型、平屋、単身世帯向けなど
Housing Tribune Weekly vol.657
世帯人数の減少に対応した身の丈に合ったプラン、リーズナブルな価格を実現した規格住宅新商品の提案が相次いでいる。
100年後の街づくりをミッションに、断熱工事やリノベーション、不動産事業を手掛けてきたNENGO(川崎市高津区、的場敏行代表取締役社長)は2023年10月、都市型戸建注文規格住宅「NENGOの家-家と庭と-」を発売した。長方形型の建物において、構造上必要な耐力壁を可能な限り外周部、四方の壁で確保することで、間取りの自由度、可変性を向上させた。外壁に窓はないが、中庭の上部空間を大きく開放し光を取り込むことで十分な明るさを確保。庭を中庭として建物に内包することで、都心でも空や自然と触れ合える暮らしを提案する。建物の高さを5ⅿに抑えることで、日本全国どのエリアにおいても斜線制限をクリアし、規格プラン通りに建てることが可能で、設計変更によるコストアップが生じない。都市部の狭小地、旗竿地なども有効活用しやすい。四方を壁で囲み、中庭を内包する規格プラン(特許出願中)をベースとして、敷地条件に合わせて、幅や奥行などのサイズ変更には柔軟に対応する。また、コストと住みやすさの両方を兼ね備えた温熱環境設計も行った。可変透湿気密シートや透湿性のある100倍発泡断熱を施し、UA値0.55(断熱等級5相当)を確保。20年以上断熱工事を手掛ける知見を生かした。東京都町田市三輪町、小田急電鉄小田原線「柿生」駅から徒歩19分の場所、周囲を戸建住宅に囲まれた旗竿地に2階建てのモデルハウスを建てた。一定期間モデルハウスとして活用し販売する。敷地面積104.59㎡(30.1坪)、延床面積59.62㎡(18坪)で販売価格(土地+建物)は約4000万円。的場社長は「『究極のふつう』な住まいを形にした。既存の戸建住宅の在り方に対する挑戦でもある。購入した土地を最大限に活用し都心でも空や自然と触れ合いながら自分なりの『家庭』を営むことができる。窓のない5mの壁であるシンプルな外観は周りへの影響も少なく、街の美観を守る」と話す。
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