2022.10.3

8月の持家は11.2%減 9カ月連続減少で長期化が鮮明に

Housing Tribune Weekly vol.601

住宅資材全般の高騰が続く中で、住宅価格上昇の影響で住宅販売にブレーキがかかり、足元の新設住宅着工、特に持家は伸び悩む。国土交通省が9月30日に公表した「建築着工統計調査」によると8月の新設住宅着工戸数は、前年同月比4.6 %増の7万7712戸で、4カ月ぶりの増加となった。貸家は同8.9%増の3万1295戸、分譲住宅は16.2%増の2万3172戸と好調に推移した一方、不振が続くのは持家で、同11.2%減の2万2291戸となり、9カ月連続で減少した。

注文住宅の受注失速の傾向は、住宅生産団体連合会の「経営者の住宅景況感調査」にも表れている。第1四半期(2022年4~6月)の注文住宅の景況感指数は、受注戸数でマイナス54ポイント、受注金額でマイナス27ポイントとなった。前回調査予測では戸数はマイナス14ポイント、金額は13ポイントを予測していたので、それぞれ見通しを約40ポイント下回ったことになる。

会員企業からは、「電力不足やエネルギー価格高騰などを背景に自給自足への関心が高く、スマート系オプション搭載率が増加」、「こどもみらい住宅支援事業などの政策もあり、対前年で増加」など、プラス要素の声もあったが、「資材高騰の影響を受け受注戸数は減少も一棟単価上昇により受注金額は微減」、「土地をお持ちでないお客様の割合が多い中、用地が品薄となり、一次取得者の受注割合が低下している」、「原材料高騰の更なるアップの前に駆け込み傾向が見られた」とい った厳しいコメントが目立った。


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