住宅弱者も自由に住まいを選べる社会へ 外国人対応は喫緊の課題、専用サイトでマッチング促進
LIFULL HOMEʻS FRIENDLY DOOR 事業責任者 龔軼群氏
〝住宅弱者〟が、住まいを探す際、賃貸の入居を断られるケースが一定数ある。すべての人が自由に住まいを選択できるフレンドリーな社会を実現するために、LIFULL HOMEʻSは不動産検索会社サイト〝FRIENDLY DOOR〟を立ち上げた。同事業の責任者、龔 軼群(キョウ イグン)氏に話を聞いた。
──〝FRIENDLY DOOR〟について教えてください。
障害者や外国人、LGBTQ、母子・父子家庭など、偏見やリスク意識などから住まい探しが困難になっている人々(住宅弱者)にしっかりと寄り添ってサポートを行う不動産会社を探せる不動産会社検索サイトです。
そもそも住宅弱者とは何かというと、年齢、国籍、セクシュアリティー、社会的立場など様々なバックグラウンドを理由に、賃貸の入居を断られてしまったり、不動産会社などにきちんと対応してもらえないことがある人たちのことを指します。
私は在日2世として日本で育ちましたが、家族が来日して住まいを探す際に、外国籍という理由から断られ、なかなか家を借りることができず、そのハードルが高いと実感しました。人種や国籍などに関わらず、相談できる場所が必要という想いを持っており、社内の新規事業提案制度での提案をきっかけに”FRIENDLY DOOR”を立ち上げました。
最初は外国籍の人を対象にスタートしましたが、生活困窮者や性的マイノリティーなど、さまざまな事情を抱え、オーナーや不動産会社からの差別的な選別によって、家探しに苦労している人が少なくないことから、徐々にこの検索サイトにおける対象カテゴリーを増やしていきました。
家探しに苦労する各カテゴリーを「外国籍フレンドリー」、「LGBTQフレンドリー」、「生活保護利用者フレンドリー」、「高齢者フレンドリー」、「シングルマザー・ファザーフレンドリー」、「被災者フレンドリー」、「障害者フレンドリー」、「家族に頼れない若者フレンドリー」、「フリーランスフレンドリー」の9つに分けており、該当するカテゴリーを選択することで、住まい探しをサポートしてくれる不動産会社を見つけることができます。
この検索サイトへの登録社数を増やす取り組みとして、家探しに困っている各カテゴリーやその当事者に関するセミナーの開催や、外国籍、LGBTQ、高齢者、障害者といった人々への対応の仕方について書かれたチェックリストを作成し、不動産検索サイトの”LIFULL HOME‘S”上で無償公開しました。その結果、”FRIENDLY DOOR”に登録している不動産会社は全カテゴリー合計で約5500店舗となっています。
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