「木の良さ」を具現する天然乾燥 山づくりとの親和性にも注目

 

林業家の期待に応えているか

「伝統構法の家が建たなければ林業は成立しない」とは、もう30年近くも前にある林業家から聞いた言葉だ。

在来工法による家づくりで国産材の利用にこだわっている作り手からすれば「伝統構法でなければ」と限定されることには異論もあるだろう。現実問題として、現在の木造建築市場における伝統構法のポジションは希薄と言わざるを得ず、資源が充実している林業の受け皿として釣り合いが取れるとは思えない。

だが、「本当の木の良さを活かしてほしいから」と願う林業家の期待に今のマーケットが応えているかと問われれば、確かに首を傾げたくなる部分がある。その端的な例が木材の乾燥をめぐる動向だ。

天然乾燥には長い時間を要するが、木材本来の良さは損なわれない

高温蒸気で表面割れを防ぐ

木材の乾燥方法には天然乾燥と人工乾燥とがあるが、現在、圧倒的なシェアを占めているのは人工乾燥材(KD材)である。特に構造材の柱や梁桁に関しては、表面割れを防止するために高温乾燥によるドライングセット方式が多く採用されている。

これは乾燥工程の初期に120℃ほどにもなる高温の蒸気を吹きかけ、木材を軟化させた状態で表面を乾かして固定させるというものだ。乾燥に伴う割れは収縮に追随できないために起きるが、柔らかい状態で乾かせば、木材の表面が収縮の引っ張りに耐えて割れが生じにくくなる。

ただし、そのまま高温状態を続けると、内部が急速な乾燥収縮に追随できずに割れが生じてしまう。そこでドライングセットをかけた後は温度を80~90℃程度に落とし、乾燥の速度を遅らせて内部割れを抑える。最初の24時間ほど高温でセットをかけ、その後、温度を落として1週間~10日ほどで仕上げる方式が主流だ。

目指すは天然乾燥材並みの品質?


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