New   2026.8.27

総務省「情報通信白書」 AIに仕事を奪われる不安は4割、「組織の仕組み」への移行が停滞

新スキル習得の必要性を感じるも6割超

 

「情報通信白書」の特集テーマは「AIの進展がもたらす多面的影響~人間とAIが健全に協働するデジタル社会の実現に向けて~」だ。

日本企業の業務における生成AI利用率は86.4%に達し普及が進む一方で、AI導入に伴う「人材のリスキリングや配置転換の方針を明示している企業」はわずか10.4%にとどまっている。日本企業の生成AI利用率は大幅に上昇した一方で、それを企業の競争力強化や構造改革、技術継承といった「組織の仕組み」に組み込めていない点が、国際比較や大企業・中小企業比較を通じて浮き彫りになっている。

日本における生成AIの主な用途は「文章・メール作成」や「議事録作成・要約」といった定型業務の補助(時短)が7割近くを占める。国際アンケート調査(日米独中4か国調査)において、他国(米国・ドイツ等)と比較して、製品・サービスの品質向上や新規事業創出といった「新規価値創出」への活用割合が低く、個人の作業削減止まりになっている現実がデータで示されている。

また、日本の働く個人の40.0%が「AIに仕事を奪われる不安」を感じており、さらに63.7%が「AI時代を生き抜くために新たなスキルの習得が必要である」と危機感を抱いている。個人側が技術変化や熟練者の退職等に直面してスキル更新の必要性を強く感じているのに対し、企業側が「具体的にどのようなスキルを身につけさせ、どこへ配置転換するのか」という組織的な受け皿や指針(10.4%)を用意できていないギャップが数値として顕著に現れている。

白書では、これらの課題に対して「単なるツール導入」から「組織と技術の協働構造への転換」を図る解決策が示されている。

生成AIによる業務変革等に関する環境整備の状況(国別、企業規模別〈日本〉)


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