環境省「環境・循環型社会・生物多様性白書」 国内の循環資源をベースに産業競争力確保

循環経済がメインテーマ

 

「環境・循環型社会・生物多様性白書」は、「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」をメインテーマに掲げている。これは単なる廃棄物対策にとどまらず、気候変動対策(炭素中立)や自然再興(ネイチャーポジティブ)と統合し、経済安全保障や産業競争力の強化を図る国家戦略だ。

特に2026年4月に策定された「循環経済行動計画」に沿って、まちづくりやインフラ整備における資源循環の推進が明記されており、住宅産業ビジネスにとっては事業モデルの根本的な変革を促す契機といえそうだ。

白書では、再生資源の活用が単なる環境対策を超え、「経済安全保障および産業競争力強化のための喫緊の課題」として位置づけられた。地政学リスクに伴う重要鉱物や建材の供給断絶を防ぐため、国内の再生材サプライチェーンを「強靱化」することが急務とされている。

太陽光パネルの排出量予測

特に注目されているのが、今後大量廃棄を迎える「太陽光パネルのリサイクル推進」に向けた法制度化の動きだ。住宅のZEH化に伴い普及した太陽光パネルだが、2030年代後半以降、太陽光パネルの排出量が顕著に増加し、年間最大50万t程度となり、最終処分場の残余容量を圧迫し、廃棄物処理全体に支障が生ずるおそれがある。廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図るため、廃棄の抑制及びリサイクルの推進することが重要になる。そこで国は、2030年代後半に迎える太陽光パネルの大量廃棄時代を見据え、太陽光パネルのリサイクルに関する新しい法案(「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」)の検討を進めている。この法案は26年5月29日に国会で可決・成立、27年末までに施行される予定だ。太陽光パネルをただ廃棄するのではなく、含まれるガラスや銀、シリコンなどの重要資源を国内で確実に回収・循環させる枠組みが本格化する。


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