日本ペイント GHG43%削減を実現する新塗料を開発
マスバランス方式の原料を使用し環境性能と高機能、価格を両立
温室効果ガス(GHG)排出を約43%削減という環境性能と耐久性などの機能性を両立、さらに手頃な価格を実現した新塗料を開発した。原料にマスバランス方式のバイオマス樹脂を採用する。
日本ペイントが、「グリーンループ BMK」を8月下旬に発売すると発表した。環境配慮型かつ高機能なバイオマスバランス方式低炭素水性1液無機系塗料で、同社の最高水準のハイグレード塗料でありながら、石油資源への依存低減を実現する。さらに同社のカーボンフットプリント(CFP)を算出、レポートを提供するサービス「SUSTAINA SYSTEM」(サスティナシステム)を通じて製品CFPデータの提供も支援する。
「グリーンループ BMK」の大きな特徴は、その環境性能の高さ。上塗り単膜で約24%(汎用水性フッ素仕様比)、下塗りを含めたトータル塗膜で約43%(複層塗膜単位で、汎用水性フッ素塗料+汎用微弾性フィラー仕様と、グリーンループ BMK+リノサーフ(薄膜微弾性フィラー)仕様との比較の最大値)GHG削減を実現した。

これはマスバランス方式のバイオマス樹脂を採用したことが大きな要因だ。マスバランス方式(=物質収支方式)とは、環境に配慮した原料と、通常の原料が混ざる場合に、環境配慮資源の重量などを証書や計算を用いて一部の完成品に割り当てる管理手法のことである。
さらに「グリーンループ BMK」は、期待耐用年数20年、超低汚染性、防藻・防かび性など高い機能性を持つが、マスバランス方式による原料を使うことで、高機能性と環境性を両立した。また、バイオマス原料を使用すると性能を高めるために添加剤などが必要となり、その価格が上がるが、マスバランス方式のバイオマス原料の採用で「従来の無機系塗料よりも手頃な価格を目指した」(マーケティング本部カテゴリーマーケティング部DECOグループ・住田基氏)と価格を抑えることもできた。
期待耐用年数20年を実現したことも大きなポイント。高い耐候性を持つ同社最高水準の無機系塗料グレードのため、同社の一般フッ素樹脂塗料が40年間で3回の塗り替えが必要であるのに比べ2回で済むと、塗り替え回数を低減することができ、ライフサイクルコスト抑制にも寄与する。
カーボンニュートラルの実現に向けての取り組みが進むなか、建築分野では低炭素型建設資材の普及が大きなテーマになっている。2028年をめどに建築物ライフサイクルアセスメントの実施を促す制度スタートが目指されるなか、環境性能が資材選定の重要なキーワードになりつつある。
同時に、こうした環境性能の算定、評価といった情報の重要性も高まっている。建設・不動産業界において建築物LCAの算定体制の整備が進み、見積・提案段階で評価情報とあわせてEDP(環境製品宣言)やCFPなどの環境情報を確認する動きも広がりつつある。
ただ、その算定方法や前提条件の違いなどにより数値の比較や開示が難しいという課題もあった。日本ペイントではCFPを算出し、レポートで提出するサービス「SUSTAINA SYSTEM」を昨年12月にスタート、同サービスを通じて、算定前提の違いによる比較の難しさという実務面での解消に取り組む。
今後、外装領域にとどまらず、屋根・床・内装などへの展開も視野に入れ、環境配慮型塗料のラインナップ拡充を進めていく考え。「環境性能を可視化・説明できる建材」としての価値向上を目指す。
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