New   2026.6.26

神島化学工業、自社工場の排ガスCO2を原料化する商用プラント稼働

2030年に工場からのCO2排出ゼロを目指す

 

工場排ガスに含まれる低濃度の二酸化炭素(CO2)をそのまま原料にする「CO2リサイクルプロダクションシステム」の商用プラントを香川県三豊市の詫間工場に新設。5月18日に稼働した。

建材、化成品、セラミックの3つを主軸に事業を行う神島化学工業が、「CO2リサイクルプロダクションシステム」の商用プラントを香川県三豊市の詫間工場に新設した。工場の排ガスに含まれる低濃度のCO2を、濃縮せずに回収して、製品の主原料に100%再利用できる商用プラントの稼働は世界初となる。

「CO2リサイクルプロダクションシステム」は、工場排ガスに含まれる低濃度の二酸化炭素(CO2)をアルカリ性資源と反応させ、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの炭酸化合物を生成するシステムだ。生成した炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを化成品や建材の原料として使用する。

同システムの大きな特長のひとつが、排ガスに含まれる低濃度のCO2をそのまま利用する点。通常、工場排ガスに含まれるCO2は10%程度と薄く、膨大なエネルギーとコストをかけてCO2だけを濃縮する必要があった。しかし同社は、試行を重ね低濃度のCO2をそのまま利用できる反応条件を確立、装置設計を最適化したことで、CO2の圧縮・濃縮工程を不要とした。また、CO2と反応させるアルカリ源には、建材・化成品の製造過程で発生する副産物を使用している。2024年にはラボベースで排ガスCO2から炭酸化合物を生成するシステム構築を完了していたが、商用プラント稼働に向けて、炭酸化合物を建材商品として実用化するための配合・製造方法の開発やJISなどの規格への適合化を行った。

香川県三豊市の詫間工場に新設した「CO2リサイクルプロダクションシステム」の商用プラント

これらの技術を開発し、世界初の商用プラント稼働に至った背景には同社の事業形態がある。同じ工場敷地内で建材と化成品を製造しており、両事業で培ったノウハウ・技術を相互活用できた。例えば、炭酸化合物から建材を生産するための製造方法の開発には、化成品事業で培った粒子の大きさを目的や用途に合わせて調整する技術「粒形・粒径コントロール」の技術が生かされている。

同社は今年5月に経営理念を改定、それに併せて新たに定めた経営方針が「環境課題を含む社会課題に対応した商品、サービスをつくり続けていくこと」だ。この核となる取り組みが「CO2リサイクルプロダクションシステム」。約30億円の設備投資を行って今回の商用プラントを建設した。まずは年間4000tのCO2を建材・化成品の原料として再利用し、段階的に約2万tまで引き上げる。

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