木造非住居推進機構、脱・住宅飽和市場 非住宅木造ネットワークを設立
全国の工務店へ民間非住宅案件を紹介
木造非住居推進機構(大阪府豊中市、福原昌樹代表統括責任者)は、非住宅木造事業の実証・先行モデル企業である三幸住研が、これまで培ってきた知見やノウハウを生かし、全国ネットワークの運営主体として設置した。全国の建築会社へ倉庫・工場などの非住宅建築案件を紹介し、ネットワーク化を推進していく。
大阪の建設事業者であり不動産事業者でもある三幸住研は、創業55年の歴史を持つ企業である。自社で土地を仕入れて建築・販売までを一貫して行う強みを持つが、既存の新築分譲や注文住宅の市場はすでに飽和しており、他社との差別化が非常に困難な状況にあった。そこで目を付けたのが、まだ競合が少なく、手付かずのブルーオーシャンであった「非住宅木造」の分野だ。鉄骨や軽鉄、プレハブで建てられていた中大規模の建物が木造へとシフトしていく潮流を捉え、この未開拓の市場へ本格的に舵を切ることを決意した。
非住宅木造のメリットと「ローコスト工房」の成果
三幸住研にとって非住宅木造への参入は、従来の住宅事業における課題を解決する多くのメリットをもたらした。住宅建築と比較して、非住宅(主に倉庫やガレージ、事務所など)はシンプルな構造であるため、顧客との打ち合わせ回数が少なくて済み、手離れが良い。また、坪単価が抑えられる一方で、1棟あたりの規模が大きいため総額の単価が高くなり、競合が少ないため相見積もりによる価格競争に巻き込まれにくいという利点がある。
この非住宅木造の専門ブランドが「ローコスト工房」だ。これまで展開していた分譲主体のブランドとは一線を画し、ホームページやSNS(Instagram、Facebookなど)を活用した独自のWebマーケティングを地道に継続した。「ローコスト工房」に寄せられるニーズとして最も多いのは、「ガレージハウス・ガレージ事務所」だ。駅からの利便性が低く、住宅用地としては活用が難しい土地(ロードサイドやインターチェンジ付近など)の有効活用として、不動産会社や地主からの相談が多い。車での移動を前提とする職人、士業、あるいは富裕層向けのガレージ需要は非常に根強い。また「倉庫兼事務所」のニーズも多い。電気、水道、設備工事などを営む中小企業の、部材置き場を兼ねたオフィスとしての需要である。
これらは、従来の賃貸住宅と比較して「投資利回り(収益性)が高い」という不動産投資面での大きなメリットがある。非住宅は内装設備や間仕切りが少ないため建築時の坪単価が安いが、賃料の平米単価は住宅より高く設定できることが多い。さらに、住宅のように10年・15年が経過しても賃料が下落しにくく、オフィスのテナントは一度入居すると退去率が低いため、原状回復費用や仲介手数料などのランニングコストが抑えられる。結果として、地主や投資家(オーナー)の手元にしっかりとキャッシュが残る収益物件となるため、不動産会社や地主からの信頼を勝ち取る強力な武器となっている。
現在、「ローコスト工房」では月3〜6件の安定した問い合わせを獲得しており、Webサイトのクリック率は前年比で3〜4倍に上る。成約率も3〜5割という高い水準を維持している。

福原代表は「『木造非住居推進機構』は、単なるフランチャイズチェーンではなく、各地域の工務店が自立して非住宅木造を受注・施工できるようになるための『共同のプラットフォーム』を目指している。競合を避けるため、都市部は半径25㎞、地方は半径50㎞など、商圏ごとに加盟数を制限しながら、まずは1年目で年20社程度の質の高い工務店組織を形成し、5年で150社のネットワークを構築したい」と話す
非住宅木造の「分からない」を解消
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