これからは“建てる”から“活用する”時代 データ活用がストック市場を活性化する
TRUSTART 代表取締役 CEO 大江洋治郎 氏
空き家を含めた既存住宅の流通、不動産の活用を拡大するため、重要度が増しているのが「情報」だ。
その膨大な不動産情報をデータベース化しサービスを展開しているのがTRUSTART。
大江洋治郎社長に、ストック市場活性化におけるビックデータ活用の効果、今後の可能性などについて聞いた。

―― 不動産ビックデータを活用したサービス「R.E.DATA(リデータ)」を提供していますが、なぜ、データ活用が重要だと考えたのでしょうか。
「R.E.DATA」は、不動産の登記情報を中心に役所や現地で収集した情報を加え、検索しやすい形にして提供しています。具体的には、不動産登記の移動情報を全都道府県の法務局に毎月請求し、紙ベースの情報をテキストデータに変換してデータベース化、AI技術を組み合わせることで各種不動産の地番や家号番号レベルの詳細情報から瞬時に所有者情報を導き出すことができます。検索機能としては、地域や種別はもちろん、相続、売買、贈与、差し押さえといった移動原因などで検索でき、広さや価格など詳細条件で絞り込むことが可能です。さらに、検索した不動産を地図上に可視化し、ハザード情報や用途地域などの情報を重ねての表示もできます。
私はもともと三菱UFJ信託銀行でリテール営業をしており、そこでは不動産を売りたい人・買いたい人を捜すというミッションも出てきます。例えば、親から住宅を相続したが実家に戻るつもりはないから売りたい、もしくはリフォームをして賃貸住宅として貸したい、そんな人を捜してくるのです。町でポストがチラシであふれている家があったら登記簿をとって所有者にDMを送る、取引先であれば電話をかけるといったことを行っていましたが、何百件もやって一人二人見つかればよい、そんな愚直な作業を行っていました。
しかし、新築住宅を購入したばかりの人が住宅を売る可能性は非常に低い。逆に、その住宅に住んでいない場合や、住宅が非常に古い場合は売りたいと思っているかもしれません。そうした不動産のインフラになるようなデータベースを作れば、もっと効率的に営業を行うことができると考えました。
―― 2020年5月にTRUSTARTを創業しましたが、これまでの成果は?
ユーザーは倍々で増加を続けており、累計で1000社以上に取引いただいています。その8~9割が不動産業界、1~2割が金融や、電気・ガスなどのインフラ業界です。

不動産業界は社数が多い。地銀は100行しかありませんが、不動産事業者は売買・仲介だけでも10万社程度あり地域も分散しています。不動産業界のなかでも課題感を強く持っているのは、売買・仲介の物件を常に探している流通系です。また、ハウスメーカーや工務店など住宅系の事業者は建て続けるために土地が必要だというニーズが顕著にあります。
近年では買取再販市場が拡大していることもあり物件の取得競争が激しくなっています。不動産を売りたい人は一社ではなく複数社に相談し一番高い価格を提示してくれた事業者、対応が良かった事業者に決めます。ただ、事業者の理想としては、一対一できちんと対話し、丁寧な提案を行う状況に持っていきたい。そのためには所有者がアクションを起こす前の段階でのアプローチが非常に重要になります。
こうしたなか情報の活用が進んでいるのは相続や贈与の領域で、売却の可能性がある所有者にアプローチして案件化につながった事例が非常に増えています。
一方、今後の可能性としては、物件自体の属性―例えば築古の木造、郊外での立地、ハザードマップにかかっているなどの情報活用が期待されます。こうした物件は住み替え意向を持たれている可能性が高いと考えられます。所有者が課題を抱えていそうな物件だけを抽出することで「リーシングで困っていませんか?」、「建て替えで困っていませんか?」といった提案をすることができます。気づいた企業はそうしたデータを活用し始めているのですが、まだまだ認知されていない。逆に言えば、非常に伸びしろがある領域だと思っています。
―― 既存住宅流通市場の拡大が取り組まれるなか、所有者と事業者のミスマッチ、情報ギャップが指摘されています。
不動産業界では情報の活用がまだまだできていません。先ほど不動産の売買・仲介だけで10万社とお話ししましたが、そのほとんどはデータ活用の有用性に気づいていないのではないでしょうか。
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