New   2025.12.18

新築価格高騰や意識変化を背景にストック市場活況 空き家活用の新たなサービスも続々

2025年の重大NEWS

 

新築住宅の価格高騰を背景に中古住宅市場が活発となり、民間による様々な空き家ビジネスが存在感を高めた。国内の空き家が増加し続ける中、空き家活用は社会課題解決のみならず、住産業における新たなビジネスとしてさらに成長していきそうだ。

埼玉りそな銀行「空き家まるごと解決システム」のイメージ図

2024年に総務省が発表した5年ごとの調査「住宅土地統計調査」では、全国の空き家数が過去最高の900万戸まで増加していることが明らかとなった。また、国土交通省が2025年8月に公表した、「令和6年空き家所有者実態調査」によると、空き家の約6割は相続されたもので、そのうち7割超は1980年以前に建築された住宅であることが判明。また、4割が今後も空き家として所有、4割弱は除却・売却する意向だが、課題は「住宅の傷み」「借り手・買い手の少なさ」「家財処理」が多くなっていることが分かった。

空き家問題について、これまで様々な対策が取られてきた。2014年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を公布し放置空き家の対策を進め、2023年には同法を改正し空き家の管理面での対策を強化、加えて、放置の一因と指摘されてきた固定資産税の住宅用地特例の解除についても対象の拡大を行った。さらに、空き家発生の大きな起点となっている相続についても、相続土地国庫帰属制度、相続登記の義務化を創設した。

カチタスが25年12月に公表した「第5回 空き家所有者に関する全国動向調査」によると、昨年開始した相続登記義務化の認知度は21年7月の23.2%から、25年11月の65.3%へと4年で3倍に増加した。また、空き家対策特別措置法の認知度も上昇傾向にあり、空き家所有者の約半数が法制度を認知していることが分かった。

空き家増加という社会問題に対し、これまでは自治体や非営利団体が主に空き家の売却や利活用の役割を担ってきたが、民間企業が参入し「空き家のビジネス化」が広がりつつある。25年は様々な事業者が空き家に関するサービスを続々発表した。近年は中古住宅市場の広がりとともに買取再販を手掛ける事業者も増え、同市場で扱われる住宅で空き家が存在感を強めている。また、地域散在により以前は難しかった空き家情報の収集がITの発達により容易になり、空き家が一般的な流通ルートに乗るようになっている。


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