人目を気にせず授乳ができる授乳服を開発

家屋をリノベし「モーカフェ」を開業 「子育ては大変」という常識をひっくり返す場に

 

光畑由佳さんは岡山県倉敷市出身。お茶の水女子大学被服学科を卒業後、パルコでの美術企画を担当。そのあと建築関係の編集者に。当時、現在の「モーカフェ」のベースとなった自宅を建てた。出産をしたので家を拠点に建築家を紹介する仕事を手掛ける構想だった。1997年に2人目を出産。友人のところに子連れで出かけるとき、電車の中で赤ちゃんが泣き出し授乳をしなければと思った。しかし周りの目が気になる。そのときから人目を気にせず授乳ができる授乳服の開発を始めた。当時は日本人の女性に合う授乳服で普段着として着れる服はなかったのだ。こうして「モーハウス」の起業に至った。

活動は、やがて産後の女性のライフスタイルや、「子連れ出勤」などで大きな注目を浴びることとなる。光畑さんは3人の子供を育てた。

裏側から見た外観。スタッフは現在3名で運営。営業時間は10時から17時まで

入ってすぐのソファのある部屋。客には親子連れのほか、カップル、建築・カフェ好きの男性が一人で訪れることもある

授乳服の開発と、乳幼児を持つ母親の新たなライフスタイルの提案と実践で、数々の受賞歴があり、大学での講師や、女性活躍・子育て・男女共同参画などの、さまざまなシンポジウムなどにも呼ばれている。彼女の企画による子育て支援のシンポジウムも多く開かれており、それも「授乳ショー」という、実際に授乳しているお母さんが乳児と壇上に並ぶという大胆な演出を行ったりもしている。まるで普通の服と変わらないような装いの授乳服を着ているので、乳児を抱っこしていても、普通に子どもを抱いているようにしか見えず実に自然なのだ。

屋上から見た中庭。屋上もあがれてお茶を飲める

日本建築学会作品選奨。設計者の一人キャサリン・フィンドレイさんは2014年に亡くなっている

こうした活動を経た新たな活動拠点として家屋をリノベーションし「モーカフェ」が誕生する。理由は建築デザインが評価を受けていたことから、ただの家でなく何か使えないかというのが一つ。もう一つは子育ての新たなライフスタイルを提示することだ。

かつて東京の青山や日本橋などで店舗営業し、実際に乳幼児を持つ女性の子連れ出勤を実践した。さらにつくば市内のデパートやショッピングセンターなどで「子連れ出勤を見せてほしい」との依頼から実践を試みてきた。しかし店舗が閉店してしまった。


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