住居から店舗兼住居への用途変更の許可取得に1年 徹底的な地域の景観と素材にこだわり人気パン店に

小田原市の「麦焼処麦踏」

 

宮下純一さん(41歳)は東京の豊島区高田出身、埼玉の吉川市で育った。高校生のアルバイト時代から飲食に関わり、20歳の頃に和菓子屋で働き始める。川越の和菓子屋でキャリアをスタートした。和菓子屋は家族経営が多く転職が難しかったことからパン職人に転身。パンを学ぶ傍らケーキ部門の仕事も学び製菓製パンの基礎技術を身に着けた。

浦和の「ボンドール」、有楽町の「無印良品ベーカリー」などで修行を積んだ。30歳になり独立の準備のため、最後の修行先として地場産小麦からパンを造る箱根の「足柄麦神むぎ師」に就職。オーナーが変わり「箱根麦神」に。改名後はシェフとして勤務する。この頃に湘南小麦そして、師匠である「ムール ア・ラ ムール」の本杉正和さんと出会う。無農薬無化学肥料で地域で農業に携わる人たちの「NPOあしがら農の会」での農業研修も並行して進め、農家資格も取得し、2018年1月11日に小田原市江之浦に「麦焼処麦踏」をオープンした。

ただ物件が市街化調整区域にある古民家だったため、住居から店舗兼住居への用途変更の許可取得に1年を要した。開発審査会が年に1、2回しかなくタイミングを逃したため時間がかかった。

用途変更の申請は、設計士の後藤智揮(後藤組設計室)さんと、「片浦空き家バンク」の仲間で建設会社副社長の瀬戸ひふ美さんが中心となって進めてくれた。

入口からすぐ左手の縁側。テーブルと椅子があり食事も楽しめる。縁側の外には緑豊かな中庭がある

入って右にあるフリースペース。月額1000円。地元の人が商品を販売。商品代はそれぞれのBOXに入れる仕組み


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