2025.7.31

南海トラフ地震の最大死者想定29万8000人 〝命を守り、つなぐ〟重点施策で10年間で8割削減

 

2025年7月に開催された第45回中央防災会議で、「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」が大幅に見直された。今年3月末にとりまとめられた最新の被害想定では、最大死者数29万8000人、全壊焼失棟235万棟と想定。今後10年間で死者数を約8割、全壊焼失棟数を約5割削減する目標を示した。

新たな被害想定

被害想定では、津波や建物倒壊等による直接死者数が最大で約29万8000万人と引き続き極めて厳しい想定が示されたとともに、負傷者数が約95万2000人、建物被害人口が約1230万人と併せて、新たに少なくとも約2万6000人~約5万2000人の災害関連死の想定数も示された。被害の絶対量を軽減するための住宅の耐震化や津波対策、適切な避難行動の促進、ライフラインや交通インフラの強靱化、救助体制の強化といった「命を守る」対策と、救急救命の強化、ライフライン、インフラ等の早期復旧・機能維持、避難生活の質の確保といった「命をつなぐ」対策を重点的に推進する。「命を守る」、「命をつなぐ」対策については、特に重要な施策として、具体目標を定め、重点的にモニタリングを実施し進捗を図る。

また、今後取り組むべき対策の方向性として、①社会全体における防災意識の醸成・総合的な防災体制の構築、②被害の絶対量を減らす取組、③ライフライン・インフラの強化、④救助体制・救急救命を強化する施策・防災DX、⑤被災者支援、災害関連死防止の対策―の5つを定めた。


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