ガーデンエクステリアは健康な人生に欠かせない 自然や人とのつながりを創出する“場”づくり
タカショー 代表取締役社長 高岡 伸夫 氏
タカショーが7月31日、8月1日の2日間にわたり東京流通センター(東京都大田区)で「第22回 タカショーガーデン&エクステリアフェア2025(TGEF2025)」を開催する。住宅やエクステリアおいても新たな視点が求められ、リフォーム市場への提案も重要となってくるなか、エクステリア業界の最新の動きと、フェアの見どころについてタカショーの高岡代表取締役社長に聞いた。

代表取締役社長高岡 伸夫 氏
ーー 日本の住宅、エクステリア業界の今と、それを踏まえてフェアで打ち出したいことを教えてください。
フェアのコンセプトには、「Well-Being(心身の健康と幸せ)」を掲げました。現在の日本は平均寿命と健康寿命の間に開きがあり、年間の医療介護費も膨大な額に増えています。こうしたなかで、私は住む人の健康と幸せにつながる住まいには中間領域が必要だと考えています。
昔の日本の住宅には、軒やひさしがあって、その下に縁側がありました。そこで近所の人とコミュニケーションを取ったり、庭の自然とのつながりがありました。そうした人や自然とのつながりが心身への刺激になって、認知症の予防など、健康に良い影響を与えるのではないかと思っています。
このような考えをもとに提案をしているのが、「5th ROOMⓇ」です。リビング、ダイニング、キッチン、ベッドルームに続く5番目の部屋として、家と庭が持つそれぞれのいいところを組み合わせた空間です。
近所の人が家に来た時に招ける場所があるというのは重要だと思います。かつては勝手口から近所の人が入ってきてコミュニケーションが生まれていました。しかし、最近の家にはそうした場が少なくなっています。軒の出が少なく、勝手口もない。玄関からすぐ階段を上がってもらうようなつくりだと、近所の人を招きにくく、コミュニケーションが減ってしまいます。隣近所と交流することを考えている住宅が、人々の健康と幸せにつながると思います。
一方で、自然とのつながりという点では、近年、バイオフィリックデザインの導入が進んでいます。これは、人は生まれながらに動植物に癒されたい、近づきたいという欲求を持っているという理論に基づき、空間に緑を取り入れることでそこにいる人の幸福度を向上しようというものです。いま、住宅メーカーが最も注力しているのは、「自然との共存」です。住宅メーカーの仕事は箱の中に間取りを決めることから、風通しや光の取り入れ方などを工夫して、いかにストレスの少ない空間をつくるかへ変わってきています。

先日、英国出張へ行った際に、ヒースロー空港から2~3時間かかる郊外へ行ったのですが、古い建物を改装したホテルやセカンドハウスが目につきました。歩くたびに軋む音がするような古い建物なのですが、庭にはブドウの花が咲いていて素敵でした。あとで聞くと、そのセカンドハウスの価格は1億円だそうです。建物が古びていても、立派なガーデンがあることがセカンドハウスとしては高い価値になるのです。建物だけならホテルへの宿泊で十分ですが、ガーデンを楽しみながら近所の人と交流するという体験はホテルではできません。周りの人と一緒にペットに触れあったり、緑を育てたりして、生命を共有すること、それが〝暮らし〟だと思っています。
5th ROOMは、増築でしか作れないというわけではありません。例えば、使っていない部屋の壁を切って、住宅の柱の内側に中間領域を創出することもできます。また、場所についても、ダイニングに面して作ることが多いですが、浴室や寝室に外とつながる空間をつくっても、非常に心地のいい空間になります。
ーー デジタルを併用した心地よい暮らしの提案も強化しています。
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