国土交通省「国土交通白書」 :10年後の建設技能労働者 「生産性向上」でもまだ足りない…

処遇改善や省人・省力化の推進へ

 

国土交通省が公表した「国土交通白書」では、建設業における担い手不足がさらに深刻化していることが示されている。建設業の2024年における55歳以上の割合は、全産業の平均が32.4%であるのに対して、建設業は36.7%となっており、高齢化の進展が顕著である。

人手不足が深刻化する中で、重要となるのが生産性だが、建設業は生産性の低さも問題となっている。労働投入量は07年から23年までで約20%減少したが、労働生産性は約40%上昇しており、生産性が飛躍的に上昇している。ただ、建設業の生産性は他産業と比べてまだ低い水準にある。労働生産性が低い要因としては、天候の影響を受けやすいことに加え、土工や現場打ちコンクリートの施工現場において、多くの人手を要していることなどが挙げられる。また、特に建築工事においては、職種が多いことによって、作業の引継ぎの際に手待ち時間が発生し、全体として非効率となっている。

白書では、さらに将来推計にもとづく、建設技術者(設計、施工管理など)数と建設技能労働者(大工など主に現場での作業者)数も予想している。国勢調査を元にした推計では、建設技術者数は、20年以降、5年ごとに約1.5~3.0%ずつ減少する見込み。建設技能労働者数は、5年ごとに約7~8%ずつ減少し、その減少率は徐々に大きくなる見込みとされている。25年には約半数を50歳以上が占め、その後もその割合は変わらないことから、高齢化は徐々に進む。

経済成長率が実質2%程度で推移した仮定での建設技術者、建設技能労働者、それぞれの需給ギャップも示している。


この記事はプレミアム会員限定記事です

プレミアム会員になると続きをお読みいただけます。
料金・詳細はこちら

新規会員登録

無料会員登録後にプレミアム会員へのアップグレードが可能になります

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。