住宅関連事業者100人に聞いた「この建材がスゴイ」
住宅事業者は、ハウジング・トリビューンが選出した「プレミアム住宅建材」の50商品をどう評価するのか。
ハウスメーカー、工務店、設計事務所などを対象にアンケートを実施した。
50商品分のリスト、各建材の特徴を書いたリストを渡し、「どの商品をスゴイと思ったか」、「その理由」、「使用実績があれば、その評価は」と質問し、約100人から回答を得られた。
アンケート結果を分析し、今後求められる次世代の建材のあり方を考察した。
断熱性能向上の要
窓、断熱材に多くの支持
脱炭素社会の実現に向けて、住宅の高性能化が強く求められる中で、やはり開口部材、断熱材は、多くの支持を集めた。
50商品の中で一番多くの17票を獲得したのは、YKK APの「APW 651」であった。木製窓で先行するドイツに学び、工業化手法を取り入れて、品質が安定しないなどの木製窓特有の課題を克服して商品化に成功した点に支持が集まったようだ。
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「窓メーカーが高性能な木製窓をラインアップしたことに注目している」(岡庭建設・池田浩和 専務取締役)、「大手サッシメーカーが、カーボンニュートラルなどを視野に入れて開発を進めて、ドイツへの調査を経て日本国内基準に合うように開発を進め商品化に至った点が注目に値する」(北洲 ハウジング事業部 設計部 兼 北洲総合研究所・石原英喜氏)、「高性能、高気密、高断熱化が進む中で、フレームに木製(国産材)を使用して環境にも配慮している点と意匠も木目が生かされており、高断熱化と機能、デザインを両立している」(渡邊工務店・齊藤久也 常務取締役)など、期待を寄せる声が多く集まった。
開口部材では、エクセルシャノンの、引戸でUw値1.0以下、スリムなフレームのトリプル樹脂サッシ「シャノンウインドNS50トリプル」が10票、LIXILの高性能と高意匠を両立した高性能樹脂アルミ複合窓「高性能窓 TW」が9票を獲得した。
シャノンウインドNS50トリプルについて、ヤマト住建の入口恭尚 執行役員 技術開発部本部長は、「住宅において窓は健全な光視環境・温熱環境を創造するために非常に重要な構成要素であることはいうまでもない。光視環境また通風を確保する上で開口部を適切にとることが重要だが、建物全体の断熱性能への影響も大きい。そのため住宅にとって高性能な窓は必須要素であり、シャノンウインドNS50はその性能を満足するスゴイ商品」とした。また、ハウスメーカー関係者は、「従来、意匠が二の次となっていた樹脂窓で意匠を上げながら高い性能を両立させている」と評価した。
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高性能窓 TWについて、三井ホームの石井隆史 資材生産本部 資材調達部 資材企画グループ長は、「意匠性、施工性、メンテナンス性、コストパフォーマンスを重視し、他の競合商材に勝ると判断し採用している。出荷実績も多くあり、もちろん現場の評価も上々」と評価。別のハウスメーカー関係者も「高性能且つデザイン性を兼ね備え、トリプルガラスを軽量化し施工者や躯体への負荷が軽減されている」と高く評価する。
高性能な断熱材を「スゴイ建材」として挙げる声も多かった。デュポン・スタイロの、押出法ポリスチレンフォーム「スタイロフォーム」に防蟻剤を混入した断熱材「スタイロフォームAT」については、「性能が良い」(アビリティホーム・設計部 武本隆二氏)、「他にはない機能がある」(カメプラン・大出達弘 取締役)と評価された。デコスの新聞紙をリサイクルしてつくるセルロースファイバー断熱材「デコスファイバー」については、「標準仕様としている。調湿効果がとても良い」(エバーフィールド・久原英司 代表取締役)と評価された。それぞれ断熱材カテゴリーで最多の7票の支持を受けた。
マグ・イゾベールの、グラスウール断熱材で熱抵抗値3・3と、最高水準の性能を持つ「イゾベール・コンフォートλ32」については、「使い勝手がいい」(天野保建築・天野洋平 代表取締役)といった声が聞かれた。
旭ファイバーグラスの建築用真空断熱材「VIP Build」も、新しいカテゴリーの断熱材、また、突出した性能を持つ断熱材として期待は大きい。ハウスメーカー関係者から「住宅省エネ性能の向上とLCCM住宅普及に必要な付加断熱による躯体の設計変更を最小限に抑えられる可能性がある」、「冷橋部分や壁厚が稼げない部分などで活用すれば断熱性を大きく高められる」といった期待の声が聞かれた。
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