独自路線を追求しLONGLIFEな商品・サービスを提供していく

1年前倒しで1兆円突破へ

 

中期経営計画で2025年度に売上高1兆円を達成する目標を掲げた旭化成ホームズ。
2024年度の中間決算において、その目標を1年前倒しで達成する見込みであることを公表した。
その一方で国内のハウスメーカーでは初となるRE100を達成するなど、住宅業界の中でも際立つ成果を出している。
厳しい市場環境で成長を続ける旭化成ホームズの川畑文俊社長に話を聞いた。

旭化成ホームズ 代表取締役社長 川畑 文俊

―2017年に社長に就任した当初と比較すると、市場環境も大きく変わりましたが。

社長に就任してからの話で言うと、やはりコロナ禍による変化は大きかったですね。

また、市場環境も大きく変化しています。例えば住宅着工戸数は、2013年度から2023年度で約19%減少しています。

もう少し解像度を上げて見ていくと、持家は約38%の減少です。しかし、貸家は約8%の減少で留まっています。

こうした状況下で、当社だけでなく、ハウスメーカーやビルダーの方々が自社ならではの特色を追求し、縮小するマーケットの中で、「いかにしてお客さまに認めていただける価値を創出するのか」を競いあうようになりました。

後発組であり、制約条件があったからこそ、独自性を追求

―「自社ならはでの特色」という点では、以前から他社と一線を画す戦略をとってきましたが。

当社が設立されたのは1972年。ハウスメーカーとしては後発組でした。そのため、必然的に先行している企業とは異なる戦略を講じていく必要があったのです。

例えば、戸建住宅事業で言えば、都市部の建替え層にターゲットを絞った事業を行ってきました。

旭化成グループ全体が土地を保有することに慎重な姿勢を取ってきたこともあり、分譲事業もほとんど実施してきませんでした。言い方を変えると、後発組であり、土地取得などに関しての制約条件があったからこそ、アイデアや工夫で当社ならではの特色を創造していく必要があったのです。

―集合住宅でも独自路線をとっていますが。

集合住宅についても後発組です。だからこそ、「ヘーベルメゾン」の事業では、ペット共生型賃貸住宅「ヘーベルメゾン+わん+にゃん」や、子育て共感賃貸住宅「ヘーベルメゾンBORIKI」といったコミュニティの醸成を促す仕掛けを盛り込んだ賃貸住宅などを提案してきました。

最近ではZEH‐M商品「Ecoレジグリッド」などの人気も高まっています。

分譲マンションについては、「土地を取得しない」という制約条件があったので、マンション建替え・等価交換事業を極めようということになりました。土地を購入して一斉に分譲するという通常の分譲マンション事業と比較すると非常に難しく手間がかかる事業です。粘り強く社員達が事業に取り組んでくれたことで、国内でもトップクラスのノウハウを蓄積していると自負しています。

―今後も土地は保有しない方針ですか。

もちろん上限を決めて、慎重に吟味しながらにはなりますが、自社で土地を購入する事業にも取り組みはじめています。

先ほど持家に比べると貸家の着工戸数はそれほど落ち込んでいないという話をしました。海外の主要都市などを見ていくと、戸建住宅ではなく、集合住宅が主流になっているケースが一般的です。

日本もそういう状況になってきており、都市部を主戦場とする当社としても、集合住宅事業を強化することが重要になっています。土地の取得も含めて、今後は集合住宅事業をさらに強化していきたいと考えています。

一方で24年10月に旭化成ホームズ・アセットマネジメントを設立しました。分譲、保有に次ぐ第三の出口として、私募ファンドへの売却を行えるようになりました。他社と比較すると、少し遅れている感は否めませんが、出口戦略が多様化したことで選択肢が広がることは間違いありません。

米国でスケルトンメーカーとしての地位を確立

―海外でも他社とは異なる動きをしていますが。


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