震災の経験を今に、そして未来へ

 

ハウジング・トリビューン、観光経済新聞、東京交通新聞、塗料報知、農村ニュースの専門5紙誌は、2024年度のキャンペーン企画として「地域が創る復興・活性化の未来図~大災害の教訓から~」と題した連載を展開している。
これまで幾度となく起こった大規模地震。その度にまちが、コミュニティが、暮らしが大きな被害を受けた。しかし、時間はかかっても復興は着実に進められ、新たな姿が浮かび上がってくる。
これまで発生した地震災害からの復興を、5専門紙誌それぞれの視点から取り上げ、地域活性化への道筋を探る。
第3回目となる今回は、東日本大震災を振り返る。

未曽有の被害で応急仮設住宅に新たな広がり
[ハウジング・トリビューン]

応急仮設住宅の建設状況

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、震度6弱~7の揺れが広範囲にわたって発生、9mを超える津波も発生したことから、非常に多くの住家被害が発生した。全壊12万2050棟、半壊28万3988棟、一部破損75万64棟に達する(令和6年3月8日時点)。こうした大規模な災害のなか、従来の地震災害以上に大きな力を発揮したのが応急仮設住宅だ。全国で3万人近い避難者が発生するなか、全体で5万3194戸の応急仮設住宅が建設、引き渡された。

東日本大震災における応急仮設住宅の建設においては、その被害の甚大さなどからそれまでの地震災害とは異なる多くの課題への対策が求められた。

まず挙げられるのが、絶対量の不足である。応急仮設住宅は短期間に一戸でも多くの建設・引き渡しが求められるが、広域かつ多くの被災者への支援には供給体制の不足が懸念された。その中で大きな役割を担ったのが「みなし仮設住宅」だ。民間の賃貸住宅を借り上げて応急仮設住宅として使用するやり方は阪神・淡路大震災や中越地震などでも行われたが、その活用は限定的であった。国がその運用を改善、発災以降に被災者が契約したものであっても、自治体名義に置き換えた場合は災害救助法の適用とするとしたことで活用が一気に広がり、みなし仮設住宅の供給戸数は6万1000戸超えと建設型応急仮設住宅を上回った。


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