地域の共助と想定訓練が肝要 「日常備蓄」を推奨
坂口隆夫 市民防災研究所理事・特別研究員
ハウジング・トリビューン、観光経済新聞、東京交通新聞、塗料報知、農村ニュースの専門5紙誌では、2024年度のキャンペーン企画として「地域が創る復興・活性化の未来図~大災害の教訓から」と題した連載企画を展開している。これまでに発生した地震災害からの復興をそれぞれの視点から取り上げ、地域・産業振興のあり方を探る。第二回目のインタビューは、市民防災研究所の坂口隆夫理事・特別研究員に話を聞いた。
──新潟県中越地震(2004年10月)の特徴と、一般的に被災・復興から得られる教訓について伺いたい。
坂口隆夫
市民防災研究所理事・特別研究員
略歴:1947年8月生まれ(77歳)、長野県出身。67年、東京消防庁に入り、麻布消防署長など歴任、2007年退職。同年、東京国際フォーラムに入社(危機管理担当)。13年、市民防災研究所に移り、昨年まで事務局長を務めた。
新潟中越地震では余震の多発が見られた。10月23日午後5時56分に本震が起き、震度6強の大きな余震が午後6時台に2回、震度6弱の地震が7時台に1回あった。体で感じられる揺れが、当日だけで164回発生した。2006年5月までの1年半で、震度1以上が1000回を数えた。余震が多いと災害関連死が増える。68人の死者のうち、関連死が52人を占めた。被災者の中には、屋内での避難を嫌がり、車やテント、ビニールハウスで暮らしていた人がいて、車中での生活によってエコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)で亡くなった例があった。余震のたびに恐怖心が呼び起こされ、強いストレスがかかった。また、群発する余震は復旧作業の大きな足かせとなった。
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