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住宅の担い手確保に待ったなし

職人不足への対応が待ったなしとなっている(写真はイメージ)

国土交通省が「建設技能者の能力評価制度に関するガイドライン(案)」をまとめた。先には「建設技能者の能力評価制度に関する告示(案)」が公表されており、これらにより技能者の能力の“見える化”の制度が4月から動き出すことになる。

建設業界で深刻化する技能者不足。将来の担い手を確保するため、技能者が経験や技能に応じた評価や処遇を受けられる環境整備が進められている。

住宅業界において、職人の高齢化や若年層の入職減少など「職人不足」ははるか以前から大きな課題として指摘されてきた。市場が活況を呈すたび、震災などイレギュラーで大きな需要が発生するたび、どこかにしわ寄せが起こり、問題が指摘されてきた。

大手、中小を問わず、自前で職人育成を進める事業者がいる。自ら職人を確保し自社施工を行っている事業者もいる。また、現場作業の合理化は一昔前に比べ飛躍的に進んでいる。さまざまな取り組みが進められてきたが、問題の解消には程遠く、さらに待ったなしの状況を迎えている。

野村総合研究所の予測では、大工人数は2030年に21万人と2015年よりも14万人減るという。一人当たりの生産性が変わらなければ年間約40万戸の住宅しか建設できなくなる。

今、強い危機感を持って、住宅建設のあり方を見直す必要があろう。

担い手を確保するためには、休日や収入といった裏付けも大事だが、前提として職人のステータスを上げることが重要だろう。住宅産業研修財団は今年度から「大工志塾」を展開しているが、「日本の伝統技能の継承者」の呼称は“かっこいい”。

その一方で、現場作業のいっそうの合理化は欠かせない。在来木造住宅においてもプレカットからパネル化へと、工業化の取り組みが急速に進みつつある。また、重労働や高所作業などを代替するロボットの開発が進む。

外国人労働者の雇用も真剣に考える時期にきている。全国建設業協会の調査によると会員企業の1割弱が外国人技能実習生もしくは外国人建設就労者を雇用しているという。課題は山積するが、避けては通れないだろう。

どんな高性能な住宅も、便利で快適な提案も、暮らしを豊かにするプランも、作り手なしには成り立たない。

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ハウジング・トリビューンVol.633(2022年1号)

特集:

閉塞感のその先へ

2022年の幕が上がった。
新型コロナウイルスの感染拡大は沈静化の様相を呈しているが、まだまだ予断は許さない。
脱炭素社会実現に向けた具体的な動きはいよいよ本格化する。
風水害をはじめとする自然災害対策は待ったなしだ。
社会環境の変化のなかで地方活性化の取り組みも活発化し始めている。
2022年は住宅産業のなかでどんなマーケットが拡大し、ビジネスチャンスとなるのか──。

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