マイナス金利解除で何が変わる?① 欧州では利上げによる住宅ローンへの影響が顕著に
ニッセイ基礎研究所 客員研究員 小林正宏 氏
欧米では、2022年頃から日本に先んじて利上げが行われてきた。金利上昇によって海外では住宅ローンにどのような影響があったのか、日本の住宅ローン市場は今後どのように変遷していくのか、ニッセイ基礎研究所・客員研究員の小林正宏氏に話を聞いた。
─ヨーロッパやアメリカは、日本に先んじて利上げを行ってきました。住宅ローンへの影響を教えてください。
ヨーロッパもアメリカも、2022年頃から利上げに転じました。2年程度が経過しましたが、その影響は双方で様相が大きく異なります。
ヨーロッパについては、端的に言うと金利上昇の影響が住宅ローン市場にダイレクトに現れています。例えばECB(欧州中央銀行)は22年7月にマイナス金利を解除しました。主要5カ国(ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、イギリス)における住宅ローンの加重平均金利をみると、22年を境に軒並み上昇。それまでは各国とも1%~2%の間で推移していましたが、23年には3%~5%程度まで上昇しています。
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