[1980年代]空前の住宅ブームとその終焉
ハウジング・トリビューンで読む40年
ハウジング・トリビューンは1986年の創刊以来一貫して住宅産業の動きを多角的に追い続けてきた。この40年間、時代の変化とともに住宅産業界は大きくその姿を変え、住宅そのものも進化を遂げた。こうした動きを概観し、今の立ち位置を見つめ直すことで次の10年、20年へとつなげたい。
創業40周年の節目に、あらためてハウジング・トリビューンのバックナンバーを繰り、この40年を振り返る。第1回目は80年代。日本中がバブルに湧くなかで起こった空前の住宅ブームのなか、住宅産業ではどのような動きがあったのか──。
1980年代後半、住宅産業界は新たな住まいの、また、新たなビジネスモデルの可能性を追求し、その夢を広げた。
1986(昭和61)年の新設住宅着工戸数は136.5万戸であり、83年の113.7万戸から急速に回復に向かう時期であった。87~89年に160万戸代後半を維持し、90年には170.7万戸と一つのピークを迎えることになる。政府の住宅建設促進策、低金利、住宅優遇税制などにより住宅着工が急上昇、”住宅ブーム”の様相を呈した。
社会は好景気に沸いていた。一般的にバブル景気は88年頃(もしくは86年頃)から91年頃までと言われており、地価高騰、株価高騰など過剰ともいえる経済拡大期にあった。一方で、88年に昭和天皇が崩御、消費税導入が決定など、次の時代に向けた変化が見られ始めてもいる。戦後から続いた昭和という高度成長の時代が終わりを告げようとしていた。
住宅ブームのなか新たな暮らし提案が活発に
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