築120年の古民家を移築し住まい兼店舗に

工務店のイベントで味噌づくり、反応が良くのめり込む 子育てが終わり麹の店を本格開業

岐阜県飛騨市古川町袈裟丸に、築120年(明治8年)の古民家を住まい兼店舗「飛騨こうじ織勢」にしたのは、柳尾浩(やなお・ひろし)さん、恭子さん夫妻。家屋は岐阜県高山市丹生川から移築したもの。全体で100坪。1階は60坪以上ある。1階の3分の1が店舗。半年かけ、タイルを張り壁塗りをした。アンティーク家具店で購入したイギリスの扉や、富山の蔵の扉、古い家具を流用するなど、うまく使われている。3分の2が住まい。寝室だけ囲ってあり、あとは繋がっている。

店舗の前の柳尾浩さんと恭子さん。暖簾の文字は新元号発表時の「令和」の文字を揮毫した飛騨市出身の茂住菁邨(もずみ せいそん)氏によるもの

実は浩さんは、もとは建築の設計家。姫路出身の恭子さんと結婚し高山市に移り住んだ。
31歳のときに高山高等技能専門校(現・岐阜県立木工芸術スクール)に入った。きっかけは、建築の設計のかたわら、金属でオブジェを創る仕事もしていたこと。もうひとつは、高山市に来る前に1年ほどニュージーランドにワーキングホリデーに行った際、工房を趣味にする人が多いことを知り、「なかなかいいな」と思ったこと。それで技能を学びたいと技能専門校に入った。

学校を出てから木工の家具メーカーに勤めた。そのときに今の家を移築した。

壁塗りは柳尾さんが手掛けた。両扉は、アンティーク家具店で購入したものが使われている

店舗のインテリアは、古い調度品が上手く使われている。タイル張りは、奥さんの恭子さんが手伝ったもの

庭は犬、ヤギ、鶏などが飼われている。裏には畑が10坪ほどあり、自家用の野菜づくりもしている

「知り合った人が、家を建て替えるからと貰った。移築費用はこちら持ちです。銀行から1500万円を借りた。古民家に住んでいる仲間が多かった。移築という選択肢は、僕のなかにはなかった。ですが、この家の持ち主の前の家も、どこかに貰われていったと。移築ができるんだということで手掛けました。最初、家自体が嵌る土地を、丹生川、高山、近辺で探していた。なかなかいい土地がない。僕は、北海道生まれで実家は兵庫県姫路市。平地で育った。なので、山の迫っているのが苦手で、ちょっとでも見晴らしのいいところをと思いながら、探して、今のところに移築しました。上棟してすぐの状態で引き渡してもらった。土壁を塗る、床貼りは自分でやった」と浩さん。

麹専門の店になったのは、趣味で始めた麹づくりからだった。


この記事はプレミアム会員限定記事です。
プレミアム会員になると続きをお読みいただけます。

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。