上期倒産件数5年ぶりに4000件超え
建設業は36.4%増の834件、物価高、人手不足倒産が急増
帝国データバンクがまとめた「2023年上期(1-6月)全国企業別倒産」によると、5年ぶりに4000件超えとなった。建設業はサービス業に次いで倒産件数が多く、資材高騰、住宅価格上昇による住宅販売不振により、工務店のみならず、製材業、林業などにまで影響が広がっている。
23年上期の倒産企業を業種別に見ると、2009年以来、14年ぶりに全業種で前年を上回った。最も多いのはサービス業で前年同月比774件→959件、23.8%増。次いで建設業が同583件→795件、同36.4%増と続く。建設業は、資材高騰や人手不足の影響を受け、上期としては2年連続で前年を上回り、特に「職種別工事業」(同246件→353件)の増加が目立った。
負債総額は9065億円(前年同期1兆7630億円、48.6%減)と、マレリホールディングスの超大型倒産があった前年同期から大幅に減少。負債規模別にみると「5000万円未満」の倒産が2307件(前年同期1787件、29.1%増)で最も多く、小規模な倒産の増加が目立った。主因別にみると、「販売不振」が3130件(前年同期2330件、34.3%増)で最も多く、全体の78.1%(対前年同期1.6ポイント増)を占めた。「売掛金回収難」や「業界不振」などを含めた「不況型倒産」の合計は3197件(同2379件、34.4%増)となり、上半期としては2年連続で前年を上回った。
物価高倒産は4倍超の375件
最多は「建設業」で85件
物価上昇による影響も中小企業の経営に影を落としている。仕入れ価格の上昇や価格転嫁できないことに起因した「物価高倒産」は、23年上半期で累計375件となった。上半期における倒産件数(4006件)のうち約1割が物価高倒産だった。前年同期(85件)から4倍超の水準に達したほか、22年通年の320件を6月時点で上回り、年間で過去最多を更新した。
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