住宅業界でも生成AIの活用が拡大
より自然な会話で顧客の質問に常時回答
住宅業界においても生成AIの活用が拡大してきている。生成AIを住宅営業などに活用することで、これまでとは次元の異なるレベルで、人材配置の合理化、より効率的な顧客データ取得、有望顧客の囲い込みといった効果が期待できそうだ。
生成AIとは、さまざまなコンテンツを生成できるAIのこと。従来のAIが決められた行為の自動化が目的であるのに対し、生成AIはデータのパターンや関係を学習し、新しいコンテンツを生成することを目的としている。やり取りする文脈を踏まえた人間に近い自然な文章生成などが可能となってきている。
オープンハウスグループは2023年7月、IoT、AIなどのデジタル技術を活用して企業のDXを支援するアジアクエスト(東京都千代田区、桃井純代表取締役)と共に生成AIを同社の事業に活用するための実証実験を開始した。米国マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」の複数種類の生成AIが利用可能な「Azure OpenAI Service」を使用し、同社の業務課題に対する改善策を検証する。具体的には、顧客から住まいに関する要望(住まいへのこだわり、間取り、広さ、予算など)を音声またはテキストで受け取り、推奨物件を自動生成する物件提案サービスのほか、購入検討段階での設計図や物件パース、購入契約段階での重要事項説明書や契約書などを自動作成するアシストサービスなどにおいて生成AIの活用を検討する。
住空間コミュニケーション・プラットフォーム「ROOV」を開発・提供するスタイルポート(東京都渋谷区、間所暁彦代表)は、次世代のサービス開発を推進するため新たなチーム「STYLE PORT AI Lab」を設立。22年11月に米国OpenAIが公開した自動応答型の生成AI「ChatGPT」と「ROOV」を組み合わせ、住宅の購買体験を変える「ROOV GPT α版」を公開し、α版の体験モニター募集を開始した。クラウド上に作成した3D空間をウォークスルーし任意の箇所でインテリアの自動提案ができるサービスなどを提供する。商談機会の創出や打ち合わせ提案の効率化が期待できる。
建築業界特化型のオウンドメディア集客を支援する事業を展開するTrust Lead(広島県広島市、江島和城 代表取締役社長)は、工務店などのInstagramの運用実績を定量解析できる分析ツール「Pegasus」に、ChatGPT機能を搭載する。
従来のチャットbot機能による定型文の回答だけではなく、カスタマーセンターの担当者と対話しているかのような自然な回答を24時間いつでも投げ返すことが可能になる。
各社のホームページの情報などを学習させ、質問内容に合わせてより詳細で正確な情報を回答することも可能だ。5社限定でChatGPT機能が追加されたデモアカウントのモニターを行っている。
住宅営業の初期段階で生成AIを活用することにより、より自然な会話で顧客の質問にいつでも回答するといったことが可能になりつつある。対面接客までを効率化するツールとして存在感を増していきそうだ。
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