2023.7.27

大東建託、創業50周年を機にグループパーパスを策定

ビルドセットなど新たな事業領域を拡大

ROOFLAG賃貸住宅未来展示場(東京都江東区)で事業説明会を開催。2023年度大幅に人員を拡大する不動産流通開発部が中心となり、ビルドセット、買取・リノベ、非住宅分野などの新領域拡大を目指す。

2024年6月に創業50年を迎えるにあたり、さらなる企業価値向上を実現するため、大東建託グループパーパス「託すをつなぎ、未来をひらく。」を策定した。ライフスタイルの多様化や気候変動による自然災害の頻発、世界情勢の激変といった外部環境の変化が引き起こす社会課題を解決するために、同社グループは賃貸住宅事業を中心に、循環型社会や地方創生などさまざまな領域で事業を拡大していく。守義浩 取締役 常務執行役員 不動産事業品部長は「パーパスに基づく行動、建設・不動産領域の拡大、生活インフラ・暮らしサービスの拡充、これら3つの取り組みを進め、まちの活性化・地方創生に貢献していきたい」と述べた。

守常務はグループパーパスについて説明。「まちの活性化・地方創生に貢献していきたい」と述べた

新領域拡大をグループ内で中心となり担うのは、不動産流通開発本部だ。既存の首都圏(4支店)、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡に加え、23年度、札幌、仙台に支店を新設。人員も110人から前年度比63%増の180人に拡充する。ビルドセット、買取・リノベ、非住宅分野を新領域と位置付ける。

ビルドセットとは、土地付き賃貸住宅の販売のことで、同社が用地を取得し、賃貸住宅を建設、物件規模に応じて不動産・ファンド・一般投資家、同社顧客へ売却する。多様な土地の仕入れ、出口戦略が描ける。東京、名古屋、福岡、仙台、札幌など、大都市圏での需要を見込む。すでに千葉県千葉市でのRC14階建て97戸(売却金額17.4億円)、東京足立区でのRC造5階建て91戸(売却金額19.3億円)などの実績を持つ。同社が開発するZEH仕様の賃貸住宅を対象とするファンドの組成を目的としてSBI証券などと協定を締結し、出口戦略の見通しをつけたうえでビルドセット事業の拡大を目指す。23年度300億円規模の新規開発目標を立てている。22年度から賃貸住宅の買取・リノベ再販も強化する。自社・他社物件を取得しリノベーションを実施し、同社と取り引きのあるオーナーなどに販売。22年度の売上高は19.1億円。23年度120億円、27年度300億円へと拡大させる計画だ。非住宅分野も強化し、物流施設や商業施設などの開発を進め、建築領域の拡大を目指す。フィットネスジム、医療モール、郵便局、物流施設、商業ビルなど実績を重ねている。また、単に建設事業だけを請負うのではなく、テナント付けや、ファンドへの売却なども支援する。

賃貸住宅事業を中心に、新領域を拡大しさまざまな出口戦略を持つことで、将来的にはアセットマネジメント事業をさらに強化していく。その一環として、23年7月、幅広い資産運用をサポートする総合資産サービスプラットフォーム「ASSET TRANSFORMATION(アセトラ)」の提供を開始した。資産運用に対して漠然と不安を持つ顧客から、明確な課題を持つ顧客までを対象に、不動産投資から相続対策まで、あらゆる解決手段をワンストップで提案。また、資産運用コンシェルジュによる専門知識を活かしたサポートや、AIによる各種シミュレーション機能も備えている。