伝統的工法で山の木を活かす タイコ梁や足固めを自社製材

利用期を迎える国産材を活用して林業の成長産業化に導くにはどのような取り組みが求められているのか。林材ライターの赤堀楠雄氏が地域で芽生える国産材活用の事例をルポする。

伝統的工法の家づくりで上棟式

木造伝統的工法による家づくりを専門に手掛けている工務店、㈱杢巧舎(神奈川県湯河原町、木村真一郎代表)が地元の湯河原町で新築する木造住宅の上棟式が6月17日に行われた。

入社から6年目を迎え、今回初めて墨付けを担当したという大工の髙橋諒子さん(1996年生まれ)が祝詞を奏上したのに続いて、木村さん(1971年生まれ)をはじめとする同社の大工が揃って棟木を納め、餅まきも行われた。

棟上げした住宅は延床面積22坪の平屋建てで、礎石に柱を立てる石場建てが採用された。これが同社の基本仕様で、今年は合計4棟を石場建ての伝統的工法で建てる予定だ。木村さんは「丈夫さと快適さを突き詰めたら伝統的工法になる。それに石場建てや伝統的な木組みは大工としてやっていて面白い」と話す。

山から調達したアカマツタイコ梁を使用

餅まきで大いに盛り上がった

今回の住宅では、間取りのほぼ中央になる部分にアカマツのタイコ梁を交差させて用いた。これは長野県北部の大町市を拠点とする林業事業体の山仕事創造舎(山創、橋本拓代表)から同社が丸太を仕入れ、自社の簡易製材機で製材したものである。


この記事はプレミアム会員限定記事です。
プレミアム会員になると続きをお読みいただけます。

新規会員登録

(無料会員登録後にプレミアム会員へのアップグレードが可能になります)

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。