木材利用の適切性を確保できるか 森林認証の普及に期待
利用期を迎える国産材を活用して林業の成長産業化に導くにはどのような取り組みが求められているのか。林材ライターの赤堀楠雄氏が地域で芽生える国産材活用の事例をルポする。
森林認証取得面積は1割程度
しばらく前の本欄(連載37)で、岐阜県飛騨市が来年度から広葉樹林の皆伐跡地の更新状況を公表するという独自の制度を導入することを紹介した。
環境保全の気運が高まっている現在、森林が適切に管理されているかどうかは木材のユーザーにとって気になるところだ。飛騨市の方針には複数の家具メーカーが歓迎する姿勢を示している。メーカーとしては自社製品の原料となった木材の生産現場が適切に管理されていることが確認でき、そのことをユーザーにアピールできるわけだから、そのメリットは小さくない。
だが、こうしたケースは稀で、木材の生産現場がどうなっているのかを確認するのは簡単ではない。個々の現場を確認できなくても、環境面で問題がないことがわかればよく、そのために「森林認証」というシステムがあるのだが、その導入事例は一部に限られている。

代表的な森林認証のシステムには国際認証としてのFSCとPEFCがあり、国内の認証システムにはSGECがある(SGECはPEFCと相互認証関係が構築されている)。国内の認証面積はFSCが約42万ha、SGECが約220万haで双方を合わせても国内の森林面積約2500万haの1割弱にとどまっている。
ちなみに海外の認証面積はFSCが約2億3000万ha、PEFCが約2億9000万haで合計すると5億haを超える。それでも世界の森林面積は約40億haとされるので、認証面積は1割強にとどまっている。(※SGECとPEFCの認証面積は2022年12月末時点、FSCは2021年9月時点)
「合法木材」では不十分
森林認証とは異なるが、その木材が違法に伐採されたものではないことを示す「合法木材」という枠組みもある。
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