築150年の木造家屋をリノベし御茶盌窯記念館に

唐津の食器でもてなす料理会も 唐津焼430年の歴史から食・音楽まで堪能

JR唐津駅から徒歩5分。佐賀県唐津市町田(からつしちょうだ)の中里太郎右衛門陶房。その敷地内に2020年3月に生まれたのが御茶盌窯記念館(おちゃわんがまきねんかん)。瓦のある小さな門をくぐると右手に小さな展示館、そのすぐ横が家屋を使った展示室。築150年の木造家屋をリノベーションしたもので、広々とした土間をあがると畳敷きの部屋に大きな木のテーブルが置かれ、天井まであるガラスの戸からは優雅な庭園が見える。入るだけで木の香りに囲まれた穏やかな気持ちになれる。

部屋には古唐津から現代までの焼き物が展示されている。それだけではない。記念館には厨房があり、料理が提供できるようになっている。

記念館の庭に立つ14代中里太郎右衛門さん。「自然を楽しみたい。それをお客さんにも伝えたい」と語る

「長年の夢が実現できた。唐津焼の食器でもてなす。見るだけでなく使って食事を楽しんでもらうという思いでやっています」とは、14代中里太郎右衛門さん。

料理会は月に2回ほど開催される。太郎右衛門さんが、食事に行き気にいっているという地元のお店「からつ鮨笑咲喜(えざき)」の江崎順二さん、イタリアン「Y,S KITCHEN ワイズキッチン」の中江義行さん、ほかに和食やフレンチなどの料理家を招き、それぞれの料理家が腕を振るった料理と器を愛で楽しむという贅沢な趣向。寿司では目の前で握り出すという演出もされる。最大14名までで料金は1万5000円ほど。ちなみに江崎さん、中江さんからは厨房づくりのアドバイスも受けた。


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