建材トップランナー制度 断熱化に向けた基準の見直し、改定が進む

窓は基準引き上げに合わせて性能表示制度も新しく

住宅の性能を支える建材。省エネ性能の向上に伴い、建材に求められる性能が見直されている。
国はトップランナー基準を改定し、より高いレベルの性能の実現を求める。建材も性能で選ばれる時代へ。その市場シェアが大きく変わりそうだ。

1999年に開始したトップランナー制度は、すでに商品化されているもののなかで、最も省エネルギー性能に優れているもの(トップランナー)の性能値を目安として、製品ごとに基準値を設定、目標年度までの達成を事業者に求めるものだ。家電や住宅設備などのエネルギー消費機器から始まり、13年の省エネ法の改正に伴い建材が対象に加わった。 

建材トップランナー制度は、グラスウール、ロックウール、押出法ポリスチレンフォームという3種類の断熱材を対象に開始。当時のトップランナーの性能値に、以降の技術開発などによって見込める効率改善値を上乗せするかたちで基準値が設定された。翌14年には窓を構成するサッシと複層ガラスを対象に追加している。

17年には現場吹き付けの硬質ウレタンフォーム断熱材も加わった。ただし、吹き付け硬質ウレタンフォーム断熱材の場合、断熱材の製造者は原液メーカーではなく施工業者になる。そのため硬質ウレタンフォームの原液メーカーを対象に、省エネ法に基づく勧告や公表、命令などはできないものの、目標基準値などを公式に設定し、性能改善を促す「準建材トップランナー制度」を導入した。 

同制度は、製造業者などに性能表示も課す。省エネ性能をカタログなどに分かりやすく表示することで、消費者が性能の高い製品を選びやすくする環境を整えることが狙いだ。

断熱材の目標基準値 
窓の性能表示を見直し

13年の建材トップランナー制度の開始時に対象となった3種の断熱材については、基準達成の目標年度が2022年度であった。結果はグラスウール、押出法ポリスチレンフォーム、ロックウールそれぞれの目標基準値0.04156[W/(ⅿ・K)]、0.03232[W/(ⅿ・K)]に対して、トップランナー製品の性能値はそれぞれ0.036[W/(ⅿ・K)]、0.020[W/(ⅿ・K)]、0.038[W/(ⅿ・K)]とグラスウール、押出法ポリスチレンフォームが基準を下回った。


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