ミサワホーム、神戸で病院と住宅の複合施設が完成
地域とつながる再開発を具現化
ミサワホームが京阪電鉄不動産、特定医療法人一輝会と共同で進めてきた病院と住宅の複合施設「ASMACHI神戸新長田」(神戸市長田区)が完成した。
「ASMACHI神戸新長田」は、神戸市を施行者として、ミサワホーム、京阪電鉄不動産、特定医療法人一輝会という3者が特定建築者となり建設を進めてきたプロジェクト。1995年に発生した阪神・淡路大震災により甚大な被害を受けた新長田南エリアの復興再開発事業の一環となるプロジェクトだ。
なお、新長田南エリアの復興再開発事業では、全体で44棟の建物を建設する計画になっており、この「ASMACHI神戸新長田」が43棟目であり、住宅としては最後の建物となるという。
病院の移転を契機にミサワホームと協働
特定医療法人一輝会は、神戸市内で経営する2つの病院の再編・統合を行うために、数年にわたり移転先となる土地を探していた。その中で新長田南エリアの再開発区域の土地の公募情報を知る。しかし、住宅の整備が公募要件となっており、特定医療法人一輝会だけで事業を行うことが難しいことが分かった。その時にASMACHI事業に取り組むミサワホームに相談した。
ミサワホームでは、ASMACHI事業として、地域が必要とする複数の機能を集約して整備することで、街に賑わいをもたらす複合開発事業を進めている。
今回のプロジェクトでは、ミサワホームと特定医療法人一輝会、さらには神戸市で豊富な分譲マンション事業の実績を持つ京阪電鉄不動産という3者が協働する形で神戸市の公募に参加。病院と住宅が一体となった複合施設を提案し、最終的には3者を特定建築者としたプロジェクトを進めることが決定した。
3者の提案は、建物の1~5階を特定医療法人一輝会が運営する「荻原記念病院」として利用し、6~14階を分譲マンション「ファインレジデンス神戸新長田」として売り出すというもの。2021年3月に建物工事に着工し、2023年1月に完成。同年4月には病院も開院した。
地域に開かれた病院
賑わいを生むランドマークに
新たに開業した「荻原記念病院」は、地域医療構想を踏まえて、回復期リハビリテーションや地域包括ケア、医療療養の142床を備えている。最新の医療設備を導入しているほか、地域や上層階のマンションとの調和を図った建物デザインが特徴のひとつとなっている。
地域住民に開放するオーバルパークという約1000㎡の広場も整備し、地域住民などを巻き込んだイベントなども開催していく計画だ。また、災害時には近接する公園などと連携し、防災拠点としての役割も果たす。
特定医療法人一輝会の荻原徹理事長は、「街と調和し暖かみをもたらす素晴らしい器を与えてもらった。今後は地域の方々ともつながりながら、『ここに来たら楽しい』と思えるような誰もが笑顔になる病院を目指したい」と話す。
病院がある安心感などが認められ
分譲マンションは竣工前に完売
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