2023.1.26

YKK AP、ドアリモに共同住宅向けが登場

戸別改修に特化したマンションドア

ドアリフォームシリーズ「ドアリモ」で戸別改修の需要に向けたマンション用の商品を発売する。新たに共同住宅向けの商品を展開することで商品のボリュームアップを目指す。

新しく発売する「ドアリモ マンションドア」(右)、「ドアリモ アパートドア」(左)

YKK APは、マンションの戸別改修に特化した「ドアリモ マンションドア」を2023年2月に発売する。

「ドアリモ」は既設のドア枠に新しい枠を被せるカバー工法で行うドアの改修商品。

平成28年のマンション標準管理規約の改定で、共用部であるマンションの各住戸の開口部が、管理組合の理事長の承認を受けることにより居住者によって改修できるようになった。マンションの大規模改修では、防水性の向上や外壁塗装が優先され、開口部の改修まで手が回らないことが多い。先の規約改定により、戸別での改修依頼が多く寄せられた流通店から「(すでに販売しているカバー工法の窓改修商品)マドリモのような簡単に施工できる商品が欲しい」との声が挙がった。

「ドアリモ マンションドア」は、1戸単位のドア改修で課題となっていた作図の手間を解消。通常、マンションの玄関ドアは、特定防火設備となり枠・扉ともにスチール製で構成されている。スチールの枠は現場での加工が難しいため、あらかじめ詳細な寸法を測定して図面に起こす必要があった。今回、スチール枠の形状を規格化し、壁との取り合い部分をきれいに納めるための額縁に加工のしやすいアルミを採用した。額縁の長さを現場あわせで調節できるため、現調キットを用いた簡単な納まりの確認だけで作図なしの発注ができる。これにより、現場調査は10~30分で行うことができ、納期を従来の約1.5か月から、実働約14日にまで短縮した。リフォーム店、流通店には、納期がはっきりしているため顧客との商談を進めやすくなるメリットがある。スチールのドア枠にアルミ額縁を使う方法は今までになく、特許を出願している。

工法は、標準的なカバー工法と、持ち出し工法の2つを用意。標準的なカバー工法では、新設枠の錠受けと既設枠が干渉しないようにサンダーでの切り取りを行う。持ち出し工法は廊下側に新設枠を持ち出すことで干渉を防ぐため、より少ない施工負荷で工事を行える。ただし、廊下側への出っ張りが65㎜と大きくなるため、施工の際は管理組合への確認が必要だ。

工法やサイズに関わらず一律の価格で提供する一方で、結露やレンジフードを使った際の負圧による開閉困難など、マンション玄関ドアの困りごとに対応したオプション提案も行う。例えば、ハニカム構造のドアをグラスウール仕様へ変更すると、断熱性をH-4等級に上げることができ、結露の抑制になる。また、換気機能をつければ、扉下部から空気を通し、外観デザインはそのままに部屋の換気効率の向上を図れる。レンジフードを使った際にも、負圧で扉が重くなることも解消する。

「ドアリモ マンションドア」と同時に「ドアリモ アパートドア」も発売。9デザイン、13カラーのラインアップで、入居率低下の要因となる外観イメージの改善を支援する。共同住宅へ商品を拡大することで、「ドアリモ」シリーズ全体で現状から2.5~3倍のボリュームを目指す。