大和ハウス工業、最高級戸建住宅の実棟モデルハウス
世田谷区代沢に総額5億円超の「希」
東京都世田谷区代沢で、最高級戸建住宅商品「「Wood Residence MARE‐希‐(マレ)」(以下、希)の実棟モデルハウスをオープンした。ハイエンド層の取り込みに弾みをつけたい考えだ。
同社の上期決算をセグメント別に見ると、戸建住宅事業の売上高は前年同期比830億円増の4328億円(うち海外は同919億円増の2064億円)、営業利益は同29億円増の195億円(うち海外は同60億円増の137億円)で増収増益となった。とはいえ、好調な戸建住宅事業を牽引するのは海外事業で、国内の戸建住宅については、ZEH率の向上が販売単価の上昇に貢献する一方で、コロナ禍におけるニューノーマル需要の一服感などもあり新規契約は前年比マイナスとなった。
国内戸建事業のテコ入れが喫緊の課題となる中で、柱となる戸建分譲住宅と共に、ハイエンド層の取り込みにも注力する。同社が2017年に発売した高級木造戸建住宅商品「PREMIUM GranWood(プレミアム グランウッド)」や2018年に発売した「xevo∑ PREMIUM(ジーヴォシグマ プレミアム)」など、本体価格5000万円以上のプレミアムシリーズは、「2019年度より約20%増と販売棟数が増加しており、継続的な市場規模の拡大が期待されている」(同社)という。
こうした中で、2021年4月、東京・大阪・名古屋を中心とした都市部の富裕層向けに、木造とRC造を組み合わせた混構造を採用した同社最高級戸建住宅商品、「希」を発売。同社のトップデザイナーで構成される「ZIZAI DesignOffice(ジザイ デザインオフィス)」がデザイン・設計。自由度の高い木造と敷地対応力の高いRC造を組み合わせた混構造を採用することで、大空間・大開口を実現するとともに、地階や地上3階建てなど都市部における有効的な空間活用を提案する。2022年11月時点で11棟、総売上げ40億円を販売。平均単価は約2億円、1棟当たり15億円という超高額物件の受注にも成功している。「『希』という最高級戸建住宅を提示することで、これまで設計事務所などに流れていた超高額物件も受注できるようになってきている」(同社)と手ごたえをつかむ。
今回、高級住宅地として知られる世田谷区代沢に、「希」の実棟モデルハウスとして、傾斜地を生かした地下ガレージのある地上2階・地下1階建ての住宅を建設した。土地、建物を合わせた価格は5億円超となる。このエリアは、厳しい建築制限があるエリアだが、ZIZAI DesignOfficeのデザイン・設計力を生かし、屋外に吹き抜けを設け開放的な空間を実現するとともに、プライバシーを保つため、近隣からの視線を遮る間取りとした。また、道路との最大約3.5mの高低差を生かし、天候に左右されずに車の乗り降りができる2台分のビルトインガレージを設けるとともに、床や階段、壁面には国産材を採用するなど、工法や和のデザイン・素材にもこだわった。
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