横連携、事業者の組み合わせ、汎用技術の活用で築40年の久留米市環境部市庁舎をZEB化

補助金などで実質負担7500万円、6・7年で回収

左から都市建設部設備課計画(兼)エネルギー支援チーム片山大樹さん、都市建設部建築課計画チームリーダー赤坂慎一郎さん、環境部環境政策課事務主査境邦匡さん、環境部環境政策課山部真史さん

これまで使われていた既存の公共建築のZEB(Net Zero Energy Building)化で、全国で初めての事例となったのが久留米市環境部の庁舎。施工1990年の鉄筋コンクリート地上3階建て。延床面積2089㎡。1次エネルギー削減率106%となっている。そのことで2021年「エコプロアワード国土交通大臣賞」、「省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞」を授賞している。

建物は、もともとゴミ収集車の車庫として使われていたもの。1階がまるまる収集車が出入りするようになっていて天井も高い。ここに市の環境部が移ってきた。ところが1階車庫の天井はコンクリートむき出しで、その上にある執務室は冬は熱が奪われて異常に寒かった。職員は個人で床にダンボールを敷いて断熱材を置いていたほどだった。そこから断熱改修をして部屋を暖かくし、かつ省エネができないかと、役場職員のプロジェクトが自主的に生まれて既存建築のZEB化が始まった。

1階天井のウレタン断熱材の吹付け。時間が経過して茶色になっている。これで足元の温度を17度以上を保てるようになった。2階執務室の天井と足元の温度差は6度と開きが少なくなった


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