災害時、防災や復興の拠点の役割担う開成町ZEB庁舎

プロジェクト発足から工事まで7年、完成まで2年 多くの技術が複合的に連携し自然エネルギー活用

2020年5月に竣工した神奈川県足柄上郡の開成町(かいせいまち)の新庁舎。一次エネルギー81%減を実現し、ZEB=ゼブ(net Zero Energy Building)のトップクラスのモデルとなる。設計段階で2018年4月に庁舎として日本初のBELS認証によるZEB認証を取得している。

2階のホール部分と執務室(左)。天井は木造格子になっている。床の下はコンクリートになっていて水が流れている

現地で解説をしてくださったのは開成町財務課契約管財班・鈴木篤史さんと新庁舎の発足から携わってきて現在は街づくり推進課長・柏木克紀さんのお二人。

新庁舎の理念は「人と自然と調和した『みらい』への空間。田舎モダンを象徴する庁舎」。全体のコンセプトは「地球環境への負荷、ライフサイクルコストを縮減する庁舎」で進められた。

新庁舎の構想は2011年東日本大震災が発端。1970年竣工の旧庁舎は外壁が落下し甚大な被害となった。今後、同規模の地震が発生した場合、防災や復興の拠点としての役場の機能を担えないと判断された。

建築は歴史風土の継承も配慮され天井や、その下の「あじさいパネル」は、町内に残る築300年の古民家「瀬戸屋敷」の意匠のモチーフが使われている

府川裕一町長自ら福島の被災地を視察。福島第一原発事故を目の当たりにし、行政自ら再生可能エネルギーの普及を進めていかなければならないとの決意から新庁舎の取り組みが始まった。


この記事はプレミアム会員限定記事です。
プレミアム会員になると続きをお読みいただけます。

新規会員登録

(無料会員登録後にプレミアム会員へのアップグレードが可能になります)

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。