深読み酷暑メール/満喫できるか2つの人生
深読み酷暑メール
友人からメール。「暑すぎる。1か月早く長野の山小屋に避難。遊びに来て下さい」。梅雨にいつ入り、いつ明けたのか、釈然としないまま7月に入る前からの猛暑だ。それも40℃近くという体温を上回る暑さ。友人が早々と山の中に避難行もうなずける。電力不足、水不足が声高に唱えられるなか、天然の冷気で身を包む山暮らしはうらやましいかぎり。
ただ、友人のこの山荘はいわゆるこれまでの別荘とはちょっとちがう。空き家の古民家を改修したものだ。改修費は友人が持ったが、所有はしていない。賃貸というかたちであり、好きなときに自由に行き来する。そして何よりの問題である管理は隣に住む所有者の農家に頼んでおり、適当に風を入れたり、掃除をしてもらっているという。微々たる賃借料だが、家を改修してもらっただけでもありがたいと喜こばれ、維持管理費もわずかなのに恐縮されているそうだ。家のメンテナンスばかりでなく、趣味で始めた野菜畑の世話までしてくれ、レタスやキャベツなど収穫物をももってきてくれるという。まあ、何とも贅沢なセカンドプレイスを持っているというほかないが、考えてみると、この流れこれから急加速しそうにも思うのだ。
何しろ働き方は多様化するいっぽうだ。新型コロナ下で定着化したリモートワークは確かにもう新しい日常としてはずせない。通信環境が整備され、パソコン1台さえあれば日本いや世界中どこにいても仕事ができるということだ。友人の第二の生活拠点もそう。それどころか都心の狭いマンションでのリモートワークより憧れだった古民家の広い空間での仕事は快適そのものと、のたまうのだ。
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