徹底解剖!人気の規格型住宅
変化の時代に住宅のプロダクト化が進行
規格型住宅市場が盛況だ。FC事業者、ハウスメーカー、地域工務店など、様々なプレーヤーが、住宅一次取得者の20代~40代の夫婦共働き世帯、子育て世帯などにターゲットを絞ったシンプルな規格型住宅を開発し販売を強化する。VRやメタバースといったWebのシミュレーションツールなども充実し、リアルにその住まいでの暮らしがイメージできること、時間、手間をかけず、コストを抑えて合理的に家づくりを行えることなどが支持を集める。人気が高まる規格型住宅を徹底解剖する。
住宅設計は、自由設計がいいのか、規格型がいいのか。つまり顧客の希望通りにつくればいいのか、住宅会社の提案型がいいのかという議論は以前からある。それぞれに一長一短はあるが、一般的に規格型は、住宅会社の豊富な知見を生かして設計し、効率的な形状のプランを用意することで、コストを抑えやすいというメリットがある。
自由設計の注文住宅、一方で、コストは抑えられるが、間取りやデザインは決まっている分譲住宅、建売住宅。その中間に位置するのが、セミオーダーの規格型住宅とも言えるだろう。この規格型住宅という考え方は住宅産業の出発点でもあったが、今なぜ改めて人気が高まっているのだろうか。
人気のベースにはコスト抑制のニーズ
人気のベースには、リーズナブルな住宅を求める消費者の強いニーズがありそうだ。人口が減少していく中で「会社員の年収は上がるのが当たり前」という時代ではない。特に若い世代の収入は伸び悩む傾向にある。一方で、地球温暖化問題や災害対応の観点から、住宅性能への要求はより厳しくなっている。規格型住宅はこうした「よりリーズナブルで、より高品質な住宅が欲しい」というニーズにマッチする。
ユニテハウス(UNITE HOUSE)というブランドで規格型住宅を展開し、山形県で13年連続、新築住宅着工数トップの実績を持つクリエイト礼文の大場友和CEOは、「住宅購入者の圧倒的多数を占める、土地なし一次取得者、20代~40代前半のいわゆるミレニアル世代、スマホ世代と言われる層をターゲットにしている。時勢の中で、可処分所得が下がっていることも影響しているが、そうした世代の人たちは、『いいものを低コストで買いたい』という傾向が強い。そうなると、1回1回図面を引いて工数をかけるよりも、規格化ということが大事になる。規格型住宅のデメリットとして、フレキシブルさがない、1点ものが欲しいというニーズに応えられない、ということが言われるが、今の若い人たちの多くは、そうしたことを求めていないはず」と話す。
規格住宅を規格住宅のままコストメリットを最大限生かす
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