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不確実性の時代の規格型住宅回帰

益田建設のグループ会社、マスイデアは、規格型住宅「タフハウス プラス」を開発。バーチャル住宅展示場「マイホームマーケット」でネット販売を行う

規格型住宅市場が盛り上がっている。規格型住宅は戦後の住宅不足で大量の住宅が求められる中で、工場生産による住宅づくりに端を発する。プランを厳選した規格型住宅を大量につくり、生産効率を高めようというところから取り組みが始まり、木造住宅へも広がった。しかし、時代とともに消費者のニーズが多様化し、所得も上がる中で、できる限りそのニーズに応えなければならず、規格型といえども自由設計に近づき、生産性は低下、コストメリットを十分に発揮できなくなるというジレンマも生じた。ただ、住宅会社にとって、規格型住宅は、コスト抑制、生産性向上のメリットに加え、営業マンが売りやすいといった大きな魅力を持つ。

今、規格型住宅をめぐり新たな流れが始まっている。多様化するライフスタイルに対応したデザインを取り入れつつ、シンプルなプランが増え、デジタルツールなどを駆使して、手間をかけずに選択できる環境の整備も進む。

これまでの規格型住宅の流れと、今回は何が違うのか。人気のベースには、リーズナブルな住宅を求める消費者の強いニーズがありそうだ。人口が減少していく中で「会社員の年収は上がるのが当たり前」という時代ではない。特に若い世代の収入は伸び悩む傾向にある。また、不確実性の時代ともいわれ、新築した住宅に一生住み続ける人は少なくなっていくと見られている。一方で、地球温暖化問題や災害対応の観点から住宅性能への要求はより厳しくなっている。規格型住宅はこうした「よりリーズナブルでかつ、より高品質な住宅が欲しい」というニーズにマッチする。

また、規格型住宅がITやアプリなどデジタルツールとの相性がいいことも若い世代を中心に消費者の心を捉えている。規格型住宅のプランをベースに、総予算を見ながら、自分の好みの内装をカスタムできるシミュレーションツールなども登場し、デジタルツールに慣れた若い世代から、「手間を掛けずに自分好みの住宅を手に入れられる」と支持を集めている。細分化する消費者のニーズに対応するために、カスタム自由度をより高めようとする動きも出てきている。規格型住宅をベースに、消費者の好みに合わせて、少しだけアレンジすることができれば、コストを抑えたまま、ニーズを満たすことができる。

また、職人が不足する一方で、住宅高性能化の要求は高まってきており、資材高騰の面からも、住宅事業者には厳しい市場環境を強いられている。こうした問題の解消を図る上でも、規格型住宅にはアドバンテージがある。規格型住宅回帰の流れは、より大きなものになっていきそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.640(2022年8・9号)

特集:

ハウジング・トリビューンは、住宅事業者の商品開発担当者などを対象に、今後の住宅商品開発の方向性を探るアンケート調査を実施した。

「省エネ」、「再生可能エネルギー活用」、「木材利用」、「リサイクル」、「蓄エネ」、「防災・減災」、「温熱環境」、「空気環境」、「在宅ワーク」、「非接触」、「IoT・IT」、「家事支援」、「高齢者対応」、「子育て支援」、「リフォーム対応」、「長寿命化」、「高意匠」、「省施工」、「DIY」、「その他」という19項目の中から、商品開発を進めていく上で注力したいテーマを3つ選択してもらった。

また、その中でも特に注力したいテーマと、なぜそのテーマを選択したのか理由を聞いた。
アンケート結果から、あるべき未来の住宅像が浮き彫りになった。

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