[佐渡市]離島特有のエネルギー問題を解決
環境ブランド価値を高め地域を活性化
佐渡市が提案した「離島地域におけるEMSを活用した自立分散・再生可能エネルギーシステム導入による持続可能な地域循環共生圏の構築」は、離島特有のエネルギーの脆弱性などを踏まえ、佐渡市全域で自立分散・再生可能エネルギーを導入する構想だ。官民の125施設に太陽光発電や蓄電池を導入するほか、耕作放棄地などを活用してオフサイトの太陽光発電、木質バイオマス発電を導入、これらをEMSにより一元管理する。トキが生息する生物多様性を持つ島の環境ブランドを構築することで地域経済の活性化を図る。
125施設、耕作放棄地などで最大1万kW
島内全体の電力融通にEMS導入も
民生部門電力の脱炭素化に対する取り組みとしては、公共施設および民間施設125施設に太陽光発電や蓄電池を設置する。
離島である佐渡市は、電力系統が本土と遮断されていることから、化石燃料を海上輸送して発電しており、島内の電力需要の94%程度が化石燃料由来の電力であるという。災害時などは輸送が遮断され、電源が喪失するという大きなリスクがあり、自立分散型電源の確保は防災力向上の観点から大きな意味を持つ。また、エネルギー代金の島外への流出を抑制することも地域の活性化につながる。
具体的には、官民の防災・観光・教育施設などの公共施設117施設、その他8施設の計125施設の屋上などを活用して太陽光発電や蓄電池を設置するほか、耕作放棄地などを活用して太陽光発電やバイオマス発電を行う。「対象となる公共施設には老朽化しているものもあり、現在は最大値としての試算」(佐渡市)とは言うものの、これらにより、自家消費型の太陽光発電7313kW、オフサイト型太陽光発電2000kW、バイオマス発電380kWの計約9700kWを発電する計画だ。
一方、防災機能の向上の視点から、旧市町村単位の市役所、支所、サービスセンターなど10地区に1MWクラスの大型蓄電池を導入する。また、10地区以外の生活圏域においても消防施設や学校などに蓄電池を設置していく考えだ。
こうした各施設に設置した設備による再エネ供給とエネルギー需要のバランシングや施設間の電力融通を行うため、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を構築する。EMSは東北電力が担う予定。今後、推進会議の検討などを踏まえて詳細を詰めていく予定だが、まずは佐渡市の施設に設置した太陽光発電の制御などからEMSをスタートする考えだ。
EV化、ステーション設置を支援
住民、観光支援にグリスロを導入
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