木材市場に影落とすウクライナ紛争 膨らむ国産材への期待

利用期を迎える国産材を活用して林業の成長産業化に導くにはどのような取り組みが求められているのか。林材ライターの赤堀楠雄氏が地域で芽生える国産材活用の事例をルポする。

ロシアが木材禁輸措置

1980年代までの主要外材と言えば、南洋材、米材、そして当時のソ連邦を産地とする北洋材(ソ連材)であり、「3大外材」と呼びならわされていた(ニュージーランド材を加えた「4大外材」とも呼ばれた)。北洋材については、市場経済とは異なる社会主義国ソ連の体制が災いし、契約通りには荷が届かなかったり、入荷が遅れたりといった不都合が発生するケースがあった。

ロシア産カラマツを原料に使用した合板。かつては丸太で輸入され、国内で単板が製造されていたが、現在は現地で生産された単板が利用されている。その供給がストップする

その後、ソ連が崩壊してロシアとなり、市場経済への移行が進められる中で安定した貿易が行われるようになったものの、2000年代に入ると突如、輸出関税引き上げ(2008年)という形で丸太の実質禁輸措置が取られるなど、不確定要因は付きまとった。


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