マーケット獲得へ地域格差解消を
問われる、乾燥材の供給力
利用期を迎える国産材を活用して林業の成長産業化に導くにはどのような取り組みが求められているのか。
林材ライターの赤堀楠雄氏が地域で芽生える国産材活用の事例をルポする。
乾燥能力が不足していた
ウッドショックで木材が不足する中、国産材の供給が間に合わなかったのにはいくつかの理由があるが、地域によっては、乾燥材の供給体制が整っていないことが影響したケースがあった。供給量を増やそうにも乾燥が間に合わず、殺到する注文に対応することができなかったのである。
もともと生産量に余裕があるわけではないので、急な注文に応えられない──と言えばもっともらしく聞こえる。だが、乾燥材に関するこのケースは事情が異なる。生産量に余裕がないのではなく、生産能力が不足しているという根本的な問題があった。
ウッドショックで品薄になったベイマツ、SPF、ホワイトウッド、レッドウッドは、ベイマツの一部製品を除けば、いずれも乾燥材として流通し、利用されている。それらをスギやヒノキ、あるいはカラマツで間に合わせようとしても乾燥材が出てこない。不足感は一向に解消されず、相場が急騰する事態となった。
乾燥材は2000年以降に普及

国産材の供給体制に関して、乾燥材への対応を強化する必要性は20年以上前から強調されてきた。背景にはプレカットの普及がある。
国内で製材品の乾燥にいち早く取り組んだのは、製材最大手の中国木材で、1980年代末から乾燥材の生産に着手した。当時の同社は米材専門メーカーで、その後、同社の定番商品となり、在来工法用の梁材の代名詞にもなっている乾燥平角「ドライビーム」を89年に発売した。
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