【2022年の“注目”住宅マーケット:中高層木造】都市に国産材活用の第2の森

国産材活用の木造ビル建設が加速 SDGsで “都市の第2の森林”が脚光

利用期を迎える国産材の需要先として、また、SDGsESGといった観点から木造建築への注目度が高まっている。ここにきて中高層建築を木造化する技術も整備されつつあり、2022年は中高層木造市場がさらに盛り上がりそうだ。


近年、伐採期を迎えた国産材を活用していこうという機運が高まっている。また、木は持続可能な資源であり、成長過程でCO2を吸収、削減し、その後、伐採、加工し、建材として建物に使用する過程でCO2を固定化できる

SDGsESGといった観点からも木材利用、木造建築に脚光が集まっている。こうした中で、木材利用、中大規模木造建設を促進する法改正、環境整備が進む。

新しい森林・林業基本計画
都市・非住宅で木材利用推進

2021年6月に閣議決定した森林・林業基本計画では、新たに「森林・林業・木材産業による『グリーン成長』」という計画が打ち出された。森林を適切に管理して林業・木材産業の持続性を高めながら成長発展させることで、2050年カーボンニュートラルも見据えた豊かな社会経済の実現を目指す。その新計画達成に向け、大きな施策の一つとして「都市における『第2の森林』づくり」を掲げ、都市・非住宅分野への木材利用、耐火部材やCLTなどの利用、仕様設計の標準化を進める方針を示した。

林野庁は、「ウッド・チェンジ」というスローガンを掲げて、川下の木材需要を喚起する施策を展開する。脱炭素やSDGsといった観点から、改めて国産材に脚光が集まり、追い風が吹く中で、住宅や非住宅から、家具や日用品まで、いろんなものを木に変えていこうという運動だ。このウッド・チェンジを進める上で重要なターゲットとして定めるのが非住宅、中大規模建築だ。現状、コンクリート造、鉄骨造がほとんどで、木造の割合はわずかである非住宅を木造にチェンジすることで、国産材需要の拡大を目指す。

そのためには、施主となる民間企業に、木を選んで発注してもらうことが重要になる。そこで施主を加えた形で、川上から川下までの事業者をつなぐ取り組みを進める。2021年3月には、民間建築物における木材利用の促進に向けて、経済・建築・木材供給団体など、川上から川下までの幅広い関係者が一堂に参画する官民協議会「ウッド・チェンジ協議会」の第1回会合を開催した。同協議会の取り組みの一環として、「中規模ビルグループ」を設置し、木造化モデルを検討・作成し普及を目指す。

改正木促法が施行
次のステップは中高層木造


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