【2021年重大ニュース 新時代のターニングポイント】熱海で土砂災害が発生

台風、集中豪雨の被害が拡大 地盤リスクの事前確認が重要に

2021年7月3日、熱海市伊豆山地区で土砂災害が発生。甚大な人的被害、建物被害をもたらした。地盤の違法な人工改変が被害を拡大したと見られている。大規模盛土造成地などのスクリーニングの一層のスピードアップが求められている。

熱海での土砂災害では谷地形の上流部、標高400m付近で盛土とその下部の土塊がえぐられるように崩壊。海岸線から水平距離でおよそ1.8㎞しかなく、角度にして平均5度の斜面を一気に駆け下りた。 気象庁によると同日までの降雨量は400mmを超え、平年の7月1カ月分の約1.7倍に達していたという。住宅被害は128棟、死者は26人に達し、行方不明者1人、負傷者3人の被害をもたらした。

通常の雨ならばいずれは沢に流れ出て海へと排水されるが、大量の雨が一気に降り注ぐとその流下能力を超えてしまい、地下水位の上昇による荷重の増加、および、強度低下で斜面が崩壊しやすくなる。宅地開発などの盛土が行われると、盛土および、盛土内に留まった地下水の重さも加わって位置エネルギーが大きくなり、さらに崩壊しやすい状況になることが指摘されている。
今回の熱海の土砂災害についても、人工改変の影響があった可能性が高いと見られている。静岡県は土石流の起点に存在した、開発行為に基づく盛土が崩落したと発表。県などの報告によると、土地の前所有者が建設残土を申請以上に多く盛土したことなどが明らかになっている。

大規模盛土リスクがクローズアップ
全国で5万1000カ所超


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